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誕生
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僕の体から漂うこの黒い霧のようなもので、何もかも簡単に死ぬ。
いや…こんなものを使わずとも、僕が触れるだけでいい。
─命を奪うのはそんな単純作業。
──…初めに奪った命は母だった。次は父。
2人は僕に触れた瞬間に死んだ。
この時はまだ黒い霧も出せないほど弱かったのに…。
そのまま独りで放っておかれれば、僕は自然と消えた存在だった。
──その方がこの世界にとっても良かったというのに──…
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