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怒れる狼 05
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「黙れよ、可愛くなくて結構だ。それにそんな事俺は望んでねーっつーの!!早く俺の上から退きやがれ.....!」
こんな時でさえ口から出てくるのは感謝の言葉とは180度懸け離れた文句ばかり。
せめて「ありがとう」の一言くらい言えたら良かったのだが.....
俺は一体いつから素直になれなくなったのだろうか。
「......マジでムカつく、.......けよ」
そんな俺の心の内など知るはずもない大神の、俺を見下ろす眼は今まで見たことない程に冷めきっていて。
眼に光がないってのはこういうのをいうんだろうか。
また低くボソリと呟いた声は聞き取れないほどに小さい。
「ちょ、今なん...、て.....ぃっってぇ!!」
顔を近づけてくる大神に聞こえなかった先ほどの言葉をきき返そうとした刹那。
耳に触れたのは暖かく湿った何か。
そして次の瞬間。
耳に響いたのは”ガリッ”という音。
それと同時にビリッとした痛みに襲われた。
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