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愛しのはるくん ~友綺~
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5歳の時に祖父が倒れて俺は母と父に連れられて大阪に引っ越した。
その引っ越しの前日に交わした約束を今でもはっきりと覚えてる。
「はるくん…俺…帰ってきたで……?
また、仲良くしような─…?」
俺は東京の空を見上げながらそう呟いた。
入学式当日。
俺は自転車で坂を上ってた。
そしたら急に雨がパラパラしだして、言ってる間に雨足は強くなり出した。
─キキッ
俺は自転車を停めて急いで傘をさす。
本間は危ないから嫌やけど、ずぶ濡れになるよりはええか、と思ってまた自転車をこぎ出す。
そしたら視界が悪くて落ちてる釘みたいなんに気付かずそれを踏んでしもうた……
案の定タイヤはパンクして俺は雨の中自転車を押して学校に行かなアカンくなって遅刻した。
学校に着いた時にはもう入学式が始まってて、中から校長か教頭かが新入生代表を探しとる声がして「ああ、やばいな」と思った。
けど、すぐになんか面白くなってきてちょっと驚かせたろうと思った。
皆予想通り驚いとった。
でも、俺は入ったまでは良かったけど少し後悔した。
(この後のこと考えてなかったやん─…)
俺はとりあえず壇上に上がり後はこの場の雰囲気に任せた。
すると突然“バタンッ”という音が聞こえてそっちに目を向けた。
そしたら人が2人倒れとった。
でもその2人の顔には覚えがあって─…ていうか、生徒の方には覚えがあるどころか、ずっと会いたかった人の顔やって……
俺は思わず叫んでた。
「はるくん!?!」
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