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木之本の春
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~木之本サイド~
俺がミヤ、宮下 柊を見つけたのは今年の春。
入学した高校のクラスだった。
殆どが黒髪、いたとしても茶髪が限度の中灰色の彼はよく目立っていた。
(ノエルみたいな綺麗な灰色だな・・・)
ノエルというのは俺の実家で飼っているロシアンブルーの名前だ。
中一のクリスマスにうちにやってきた。
彼女は誕生日もクリスマスらしく、名前をノエルにしたのだ。
ノエルはフランス語でクリスマスの意味だ。
まあ、決めたのは兄ちゃんだけど。
そんな彼女に俺は暫く触れないのだ。
俺の実家からこの高校までは電車で片道4時間かかる。
そんな高校に何故決めたのかというと、バスケで推薦が貰えるからだった。
そんな訳でこうなることは分かっていたことだったが、実際離れてみるとやっぱり寂しい。
ホームシックならぬ、にゃんこシックに陥っていた。
知り合いも少ないし・・・。
そんなことを考えているとクラスで最初のオリエンテーリングが終わっっていた。
灰色の彼は前の席の奴と話している・・・が、よく顔が見えない。
どんな顔してるんだろう。
前髪、少し長すぎやしないか。
ジッとそちらを見ていると
「すっげーイケメンだね。俺、蓮。名前なんてーの」
「え・・・・」
いかにもチャラそうな奴が声をかけてきた。
「暖人」
「暖人??名前までかっこいいな!!仲よくしようぜ!よろしくな!」
さっきから俺の事をイケメンだのかっこいいだのと言ってくるが、正直こいつ凄くかっこいいんだけど。
嫌味にしか聞こえないぞ、蓮君。
「うん、よろしく」
「そういやさっきから何みてたんだ??」
「え??」
「ほら、俺が話しかける前に向こうの方熱心に見てただろ?可愛い女子でもいた?」
やっぱり蓮君見た目通りの中身なんだな、女の子好きそうだもんなー
「違うよ、見てたのは確かだけど、女の子じゃない」
「え、もしかして暖人そっち?!」
「ソッチ・・・??ああ!!違う違う!!そういう意味で見てたんじゃないよ。ほら、あの髪が灰色の彼。随分目立つなーって思って」
「なんだ、びっけた・・・そういやさっき知り合った女子があいつのこと話してたわ。目つきが怖いから苦手だとか何とか」
そっちの発想になる方がビックリなんだけど。蓮君は性的な目でしか人を認識してないのだろうか。←
しかし、目つきが悪い・・・余計気になるな、怖いもの見たさみたいな。
後で話しかけてみようか・・・。
!!!!
彼の顔が見えた。
笑顔だった。
前の席の奴に向かって笑っている。
少し吊り上がった大きな瞳。
「・・・・・かわいい」
「お、お前やっぱり!!!!!」
「へ?いや、だから違うって!!!」
そう答えながらも目ではまた灰色の彼のことを見てしまっていた。
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