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プランA
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〜宮下 柊 サイド〜
にゃ〜ん
ぐるぐるぐるぐるぐる
俺は今猫カフェにいる。
隣には鼻の下を伸ばした木之本。
木之本の膝の上には毛並みが綺麗な白い猫がぐるぐると喉を鳴らしながら撫でられている。
一方俺の方はというと、全く猫が来ない。
暇なので仕方なく壁に書いてある猫達の紹介文を読む。
どうやら木之本に懐いている猫は膝乗り猫として有名らしい。
他の猫にはそんな特技は書いていなかった。
置いてあったオモチャの猫じゃらしを近くにいた猫にフリフリしてみたが、一瞥した後向こうへ去っていってしまった。
木之本が相手にしている猫以外はなんというか、人間に慣れすぎていてオモチャや撫でられることに飽きてしまっているように感じる。
まあここの猫毎日これだもんなあ〜、さっきなんか撫でようとしたらするっと避けられてしまった。
折角猫カフェにきたというのに全然猫と遊べていない。
ふと木之本を見てみると膝の上の猫だけでなく、プラス2,3匹手懐けていた。
猫には木之本が何に見えているんだろう。
愛の違いなのか。
しかし、幸せそうに撫でている。
やっぱり猫カフェにしておいて正解だった。
昨日あれから木之本と少し連絡を取り合い、どこに行きたいのかと聞かれた。
暫く考えた俺は、あることを思いつき猫カフェを選んだ。
今日誘ってきたのもどういうつもりなのか分からないが、会わないと話が進まない。
今日、終わらせるんだ。
日曜だというのに幸い、俺たち以外のお客さんもいない。
今だ。
「木之本、昨日......合コン行ってたんだろ?」
それまで折角のイケメンが崩れる程に溶けていた表情が少し驚いたような顔に変わった。
「...ミヤ、知ってたの?」
「学校で水瀬たちと話してるのがたまたま聞こえて....」
「そうだったんだ.....俺、ミヤを屋上に呼び出したでしょ?ラブレターみたいなの書いて。あれさ、考えてくれたの蓮だったんだよね。礼も手伝うって言ってくれて。でも手伝う代わりに合コンに付き合うって約束しちゃって。ミヤのこと好きなのかもって思って、断ろうとしたんだけど約束は守るべきだって言われてさ。確かにって納得しちゃって昨日が当日だったんだ。ミヤに言わなきゃなって思ってたんだけどあれから気まずくて言い出せなかった。ごめんね。」
「.......................えっと、その、.......なんで謝るの。俺には関係ないから。別にいいよ。木之本の自由だし。それで?彼女はできたの?」
初耳のことが一気に流れ込んできてこう言うのが精一杯だった。
ていうかあいつら?!なるほど、だから俺が屋上に行こうとした時に声をかけてきたんだ。少しでもいい奴らだと思った俺って一体.....あいつらグルかよ!!!
しかも手伝った代わりに合コンに誘うとかちゃっかりしすぎだろ!!安請け合いするなよ、木之本も!!!
「彼女作りに行ったわけじゃないから。言ったでしょ?俺、ミヤが好きなんだよ。作るわけないじゃん。..............ミヤってさ、顔に出やすいんだね。そんな拗ねないでよ」
「すっ?!」
何言い出すんだ、この男は!!!?!
思わず大きな声を出してしまった。
周りの猫達をビクッとさせてしまったし、外にいる店員さんは何事かとこちらを覗いている。
やってしまった。
木之本は少し嬉しそうな顔をしてニヤニヤしている。
木之本って見た目は雰囲気ほんわかしてて優しそうなのに、最近よく思うがこいつ結構意地悪だ。
「........何笑ってんの?」
「睨まないでよ。嬉しかったんだよ。俺が合コン行ったの良く思ってないんでしょ?彼女ができたのか気になったんでしょ?ミヤって気づいてないだけで俺のこと好きなのかもよ」
ちがう!!!
俺が想像していた展開と違う!!!!
なんで俺が焦ってんの?!木之本を焦らせるはずだったのに。
合コンに行ったことに負い目を感じた木之本は焦り出し、勿論女の子とも.....あ!!!そうだ!!連絡くらい交換してるんじゃないのか?!
「か、彼女作りに行ったわけじゃないって言ってたけど!!連絡くらい交換したんだろ??!」
「いや、してないけど。言ってるじゃん。俺はミヤが好きなんだよ。そんなことしないよ。心配症なんだね、ミヤは。安心してよ。ミヤ一筋だから」
笑顔で返してきた。
嘘だろ?
でもここでスマホ見せてなんて言ったら余計こっちが焦ってるように見える。
......今日ここで契約解除するつもりだったのに。
勿論、女の子とも連絡交換しているはずだった木之本は言い訳も出来ず、俺が解除してほしいと言うと頷くしかない。
そうなるはずだったのだ。
これ以上、木之本に振り回されたくない。
そう思って決心していたのに。
どうして......くれるんだ。
もう.....これは
こうなったら.......
プランBに変更だ。
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