アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
9
-
窓側の1番後ろに座っている人は屋久土さんっていう人で...その人の隣の席って考えただけで周りが見ないまま、真っ先に自分の席に向かった。
机を離したいけど離せば嫌に思われて何されるか分からないもんだからどうしようもなくて、ただリュックを机の脇にかけ俯いたまま座った。
(どうしよう...隣向けない......)
怖すぎて先生の声が耳に入らない...
どうしよ......なんで僕っ
(転校なんかしてきちゃったんだろ?)
コンコンっ
誰かが机の角を軽く叩いた。顔を上げると
「よっ!」
「しー...ちゃん」
僕の前の席にしーちゃん、
「大丈夫か?顔真っ青だぞ?」
「...羽山くんっ」
僕の左斜め前の席には羽山くんがいた。
「おい、泰樹!しかめっ面するなよ!有沢ビビってんじゃねぇかー!」
「加屋うるさい」
「泰樹!」
彼の名前は屋久土泰樹さんっていうみたい。横目で見ると羽山くんやしーちゃんと違い、オーラが違った。
見た目だって違う。髪は茶髪で色んなとこにピアスしてて...口にもピアスがあるのに気付きゾワッとした。
(これって...近寄んなっていうオーラだよね?)
「屋久土、紫音うるさいぞ。有沢、屋久土は朝の1年みたいな奴じゃない。だから安心しろ」
安心しろって言われたって...横目で見ると目があってしまった。
「あっ...ご、ごめんなさいっ」
一瞬喉がヒィっとなって口を両手で押さえる。
すると屋久土さんが僕の方に身体を向け手を伸ばしてきた。何かされると思い、思わず身体が反射的にビクついた。
しまったと思った時にはもう遅くて
「ご、ごめん...なさい、僕っ」
僕は立ち上がりその場から逃げ出した。
羽山くんは悪い奴じゃないって言うけど、やっぱり怖い...
怖いよ...
このままどうしよう...教室には戻るにも戻れない。
気付くと何処だか分からない場所に行き着いていた。
ここの学校は校内が広く敷地も広い。だから迷いやすい...と父さんから聞いてたけど、僕も迷ってしまった。
でも教室より静かだから少し落ち着けた。
まずどうしようかと悩んでいたらトイレをもようして、近くのトイレに入った。
誰にも遭遇しないように洋式の個室に入り、すぐ用をたした。
流し終えて個室から出ようとドアノブを掴んだ。
その時だった。
ドォンっ!
「!?」
個室のドアが誰かに蹴られ振動した。僕は急いで身を縮こませしゃがんだ。
「ここ〜誰かいますか〜?」
声が漏れそうになり口を抑えた。
しかもこの声...今朝の1年生?
「ここにいるの分かってるんだよ?今朝の転校生さん?」
バレてる...?!
鉄パイプとかまた持ってるのかと考えると恐ろしくて、次第に手が震えだした。
ガンっ
上から物音?そう思いゆっくり見上げると何かと目があった。
「みぃつーけたぁ♬」
今朝の1年生...ともう1人知らない1年生がいて、2人共手には鉄パイプと木製バットを持っていた。
ヤバい...どころじゃなくなった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
10 / 108