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学校に慣れ始めて約3ヶ月。
気付けば暑い夏を迎えていた。
いつも通り下駄箱に向かい、下駄箱の戸を開けると何かが下に落ちた。
「便箋......?」
手に取ったのは茶色の便箋で、宛名がどこにも書かれていなかった。
「あーりーさーわー」
「羽山くん」
「おはよっ。あれ?どうしたのその便箋」
「おはよう...下駄箱開けたら、入ってて」
羽山くんに渡そうとしたら、僕の手からスッと消えた。
「なんだこれ?」
横から取ったのは屋久土さんだった。
「朝、有沢の下駄箱には入ってたんだ」
「ふーん...」
納得した屋久土さんは手馴れた手つきで、便箋を開けた。
するとそこに書かれていたのは
【屋久土泰樹、放課後屋上へ来い 崎谷】
屋久土さん宛のものだった。
「崎谷(さきた)?誰だこいつ?有沢の知り合いか?」
「僕知らないよ?」
「じゃあ何で俺宛なのに有沢の下駄箱に入ってたんだ?」
3人で悩んでいると
「おっ!泰樹〜!羽山〜!有沢〜!」
笑顔で走ってくるしーちゃんに
「うっわぁ...」
「なんか来やがった」
2人は塩対応で避けた。
「えっひどっ!?」
「おはよっしーちゃん」
僕が挨拶をすれば、しーちゃん半泣きで僕に抱きついてきた。
「有沢ぁぁぁぁ、お前はなんていい奴なんだ」
ヨシヨシとなだめていると、屋久土さんによって引き裂かれた。
「ベタベタ触んな、バ加屋」
「ちゃっかり名前にバをつけるな!俺がバカみたいじゃねぇか!?」
「「えっ?」」
羽山くんと屋久土さんは口を揃えた。するとますます沈んだ。
「そういえば紫音、崎谷って奴知ってるか?」
「崎谷ねぇ...あぁ〜知ってるよ?俺らの後輩だよ」
便箋を屋久土さんから受け取り説明を始めた。
「崎谷 朝比(さきた あさひ)。隣町の四丁目に住んでる。
クラスは1-B。通称勝ち組。喧嘩の強い奴らが多くいてその中のトップがこいつ。前の1年はこいつの下僕でまた来ることは絶対ねぇな...来るとしたら崎谷本人だ」
言い終えると険しい顔になった。
「最近こいつの名前が先輩や俺らの陰で出始めてる。要注意人物だと思ってここんとこ観察してるけど...何の問題も起こさない。ただ...」
一瞬口を閉ざし
「あいつが仕掛けたことは後々やってくる。それだけでこの1週間の間で辞めてる1年生が続出いる」
「そんなにか?」
小声で話すしーちゃんに羽山くんが問いかけた。
「あぁ...1人や2人じゃない、14人だ。しかも全員病院送り」
その言葉を聞いた瞬間背筋が凍った。
キーンコーンカーンコーンっ
キーンコーンカーンコーンっ
丁度予鈴が鳴り響き、普通に戻る。
「今のことは頭に把握しといてねん♬」
「「キモ」」
しーちゃんに相変わらず塩対応な2人だった。
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