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ガチャっ
ドアが開く音に反応し目を覚ました。
(あれから寝ちゃってたんだ...)
時計の針を見るとまだ1時間ぐらいしか経ってなかった。
歩く音が聞こえたと思ったら近くまで足音が聞こえた。
ゆっくりと足音が近づいてきて、カーテン越しに影が写りその影も徐々に大きくなっていった。
「......誰?」
「......」
声をかけるも反応がなくて不安になる。
強い人だったらどうしよう...
とか
ヤバイ人だったら助けをどう呼ぼう...
とか
考えていたら、その人はカーテンを掴むとぐっと一瞬強く掴みそこから勢いよくカーテンが開けられた。
そこにいたのは
何と言えばいいか分からないぐらい曇った表情を浮かべた屋久土さんがいて、僕の顔を見ると苦しそうに顔をしかめた。
初めて見る顔に僕は傷ついた訳ではないが焦りを感じた。
「よっ!」
屋久土さんの後ろからしーちゃんと龍翔くんが姿を現して少し心が落ち着いて。
「体調どうだ?」
「7度4分の、熱あって...先生に寝ろって云われて休んでた......」
「無理だけはするなよ、優」
「...う、ん」
しーちゃんと龍翔くんは話すけど、屋久土さんは一言も話さなかった。
「あっ、ヤバイ。次移動教室だ」
「俺体育だったーーー!!!」
沈黙が続く中しーちゃんと龍翔くんが焦り始めた。
「えっでもまだ時間...」
「課題やってないんだ...屋久土、あと頼んだ」
真面目な龍翔くんが課題をやらないわけがないのに、しーちゃんと慌てて保健室を飛び出していった。
龍翔くんに僕のことを頼まれた屋久土さんは困った表情を浮かべたままですごく申し訳なくなった。
カーテンの近くに立ったままの屋久土さんとベットにいる僕の距離は近くも遠くもなくて、簡単に近づけると言えば近づけることができるけど屋久土さんが嫌だったら嫌だし......
「...有沢?」
「ん...っ?」
「そっち行っていいか?」
「う、ん...いいよ」
ベットの近くにあった椅子を僕の真横に移動させると屋久土さんはそこに座った。
「「......」」
またお互いに無言になった。
何か...何かを言わないとと声を出すタイミングを計らっていたら
「体調大丈夫か?」
先に屋久土さんが口を開いた。
「だいぶ、いい...よ?頭とか、痛くないし...ただぼぉーっとするだけ」
「そうか」
さっきより表情が落ち着いた気がして、僕も心が少しホッとした。
それだけでようやくちゃんと話せるかもしれないと思った自分がいた。
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