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43 ※屋久土視点
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ここんとこずっとだ。
有沢から目が離せなくなっている自分がいる。
初めて有沢が来た時、明らかな場違いが来たと思った。
しかも俺の隣の席で近くで見ると益々地味な奴で
以上に俺に怯えてた。
けど、いつの間にか加屋と羽山はそいつと仲良くなってて
俺も仲良くなろうと思ったら
「あっ...ご、ごめんなさいっ」
一瞬喉がヒィっとなって口を両手で押さえて
俺が身体を向け手を伸ばすと身体をビクつかせた。
「ご、ごめん...なさい、僕っ」
そう言って教室から出て行ってしまった。
そんな状態だったけれど有沢を助けてからは見方が変わった。
「屋久土、さん、おはよう!」
少しドキッてしそうなぐらい可愛い笑顔で俺を
“屋久土さん”
なんて呼ぶから有沢は本当は女なのかとかアホなことを考えてしまう。
それなのにそんな有沢が裏切るなんて行為はしないのに
俺は有沢を突き放した。
「もう屋久土さんたちには一切関わらないし近寄らない」
「屋久土さんが、顔も見たくないのなら...授業、以外...教室にも...入らない、から」
大粒の涙をこぼしながら言う有沢の姿を見て後悔した。
傷つけるつもりなんてなかった。
有沢のためだったから。
「僕に、よ、く...してくれて、ありが...と」
か細くつぶやた有沢の背中はいつになく小さく見えた。
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