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あの日から屋久土さんが少し変わった
様な気がする。
昼休みに先生から頼まれたコピー用紙を取りに行った時
「有沢」
前が見えなくなるぐらい僕が持っていたコピー用紙の半分以上を屋久土さんが持ってくれて
「行くぞ」
一緒に運んでくれたり...
体育の時だってちょうど体育祭の練習が近くて
あまりの暑さで倒れそうになった時も
「有沢大丈夫か?」
手を差し出してくれて屋久土さんの手を取って
「ありがと」
そう言うと普通に立たせてくれた。僕が立ったことを確認すると
「無理すんなよ」
小さく微笑んで元の所へ行ってしまった。
屋久土さんが好きだって分かってから意識はしていたけれど
屋久土さんの様子も少し変わって気があるのかなとか...
思ってしまう自分がいた。
(自意識過剰にも程があるよね...)
「優、お疲れ」
考えていたら後ろから声が聞こえて振り返ると
生徒会の仕事終わりの龍翔くんがいた。
「龍翔くんもお疲れさま」
「ありがと。優どうした?考え事」
「えっなんで?」
「優はこんな時間までいることって無いから、なんか考えてたのかなと思って」
「まぁ...考えてたっちゃ考えてた、かな?」
「そっか」
屋久土さんだけじゃなくて龍翔くんともしーちゃんとも
距離が縮んで益々仲良くなれた。
それもあってか龍翔くんは何でも見抜けてる。
「あの龍翔くん?」
「ん?」
「話だけでもいいから...悩み聞いてもらってもいい?」
「いいよ。あっもしかして屋久土?」
「へっ!?」
「えっあれ?違うの?てっきり屋久土の相談かと」
「羽山くんの言うとおりです...」
ボソッと言うと龍翔くんは笑い始めた。
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