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「えー...そんな急かさなくても。ったく、しょーがないな...単刀直入に言うよ?
あんたらのとこにいる有沢優をお借りしたい」
次に有沢さんに会った時にはもらえる...って思ったけど、まさか屋上にいるとは思わなくて李斗から連れられてきた。
「サキさん...なんで?」
しかもこんな大惨事な時に
驚きすぎて言葉を失うのも無理はないだろうなと思った。
「有沢?崎谷と顔見知りだったのか?」
少し怒り気味な口調で屋久土先輩が問いかけたところに
「サキさんとは「そー!!顔見知り!だから有沢さんの靴箱に入れたのー普通聞かないしょっ!」」
有沢さんの発言の上からかぶせて話した。
「違っ」
否定する有沢さんを見ていた屋久土先輩は、ますます顔色を変えた。
「有沢?本当なの?」
李斗のお兄さんも怪訝な顔をし始めた。
(これは面白くなってきたんじゃないか??)
「違う...本当にお昼に会ったのが初めてで」
「本当か?」
有沢さんは必死に頷いていた。
その姿は俺的に面白くて
「有沢とお前が言ってること、どっちが正しいんだよ?食い違ってんじゃねぇか?」
けどそれをぶち壊すかのように加屋先輩が真面目に俺に問いただしてきた。
呆れた俺は
「はぁーもうどんだけだよ...有沢さんの言ってる方が正しいよ」
ため息をついて諦めた。
「もういいや、有沢さんいらなーい!ごめんね、有沢さん傷つけちゃって」
軽々しく行って屋上を出たものの...
この数分後
「有沢さん...?」
あんなに強張った顔をしていたり、優しく微笑んだりしていた有沢さんが
階段下でボロボロと泣いていたのだった。
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