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第六章 海音寺(13)
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そして、今、海音寺は俺に理不尽な要求をしている。
「何が、気に入らないの?何か、怒ってるの?」
再会してからずっと、海音寺の態度から、漠然と感じていた疑問を俺は海音寺にぶつけた。
以前の、俺の知っている海音寺は、ときに皮肉を言ったり、辛辣になることはあっても、こんなに直接的に、強い悪意をぶつけてくることはなかった。
「何も怒ってないよ。それより、どうするの?舐めるの?舐めないの?」
「できない」
「どうして?今更、もったいぶるなよ。もう今まで、何十回もやったことだろ。安心しろよ、嶋田に話したりしないよ」
「俺が嶋田とつき合ってるのが気に入らないの?俺のことが好きなの?」
俺は怒りにまかせて、半ば本気でそんなことを言ったが、海音寺は、面白そうに笑いだした。そして、
「俺にそんな生意気な口きくの、お前くらいだよ」
とさらりと受け流して、俺に向きなおり、
「さあ、本題に戻ろう。どうするの?俺は別に映画が上映されてもされなくてもかまわない。でも、みんな驚くだろうな。自分たちが観たあの映画の監督と主演女優が、あの『まどかちゃん』の両親だって知ったら」
最低だ。
でも、俺に選択肢はなかった。
怒りで声が震える。
「出せよ」
海音寺は、自分の勝利に満足したように、ソファにふんぞり返って、自分の足を広く開いた。そして、言った。
「お前の手でやれ」
俺は、海音寺の足の間にひざまずいて、怒りに震える指を海音寺のチノパンのベルトにかけた。
人のベルトを外すのは初めてで、バックルの留め具を穴から抜くのに手間取ったが、海音寺は自分が手を貸す気はないらしく、俺の作業を面白そうにじっと見ていて、そんなところにも俺は苛立った。
ベルトを緩めると、俺は、海音寺のチノパンのボタンを外し、ファスナーを下ろした。
そして、下着の前面を少し下げただけで、ろくに衣類を肌蹴させないまま、海音寺のものを取り出した。そういえば、こんなのだったな、と頭のどこかで妙に冷静に思った。
俺はもう何も考えることなく、機械的にそれを口に含んで、適当に舌を動かしながら、唇と手でこすった。海音寺は、そんな俺をしばらく観察していたが、やがて、
「本気でやれよ。それとも、嶋田のやるときは、そんなかんじで上品ぶってんの?」
などと俺を煽った。
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