アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
六
-
そんな調子で俺のヤクザ生活は尻つぼみ状態。
死ぬことを選んだ母親の気持ちがわかるようになった。
まったく自分が望む世界ではない場所で生きてく不具合から解放されるとしたら、死によって得られるであろう平安は魅力的だ。
母親のように無気力で生き続ければ、そのうちちょっとした怪我や風邪が自分の命を絶ってくれるかもしれない、そんな想像に埋もれて生きている。
桜沢は若頭としての仕事に没頭し、最近は俺を迎えにくることはなくなった。
肩書きは補佐であり、下の者も「補佐」と呼んでいるが誰もサブだと思っていないだろう。
少しの間任されていたビルの管理も斉宮が取り上げた。そもそもあのビルでおかしな事をやっている人間がいると嗅ぎ付けてきたのは斉宮だ。オヤジに耳打ちしてちょっかいを出し、撥ね付けられると捻じ伏せた。
会員の入会金と年会費だけでもそれなりだったのに、斉宮はリニューアルを繰り返してクリーンな鎧を着たSEX産業ビルにつくりかえていった。
そのアイディアや手腕は素直に感心するもので、やはり俺にはむいていないなと痛感した。
斉宮と桜沢はいいコンビに収まったのだろう。
斉宮の口から桜沢の名前が出ることが多くなった。小菅の話しだと、斉宮がやっている店に桜沢はよく行くらしい。他に行く場所はあと2つ。
実乃里という女の店。
桜沢の口から女の事はでたことがない。付き合っている女がいるのか寝ているだけの女を抱えているのか一切わからない。
この実乃里という女は最近小菅がちょっかいをかけている相手だ。のらりくらりとかわされて、桜沢とデキているのか聞いても否定も肯定もしない。
綺麗というより可愛い顔の女。
そしてもう一軒は男の店。
俺としてはこっちのほうが気になる・・・。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
7 / 75