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五十七
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コウを送り出して部屋に戻ると着ているものを脱ぐ。
トランクスを履かないだけで随分涼しくなるものだ。昔つきあっていた女はパンストじゃなくガーダーベルトでストッキングを吊っていた。エロ仕様だと思っていたが違うな・・・涼しいからだ。
最初は心もとなかったけれど、慣れてしまえば涼しいし楽ちんだ。コウ以外浴衣の裾を割る人間はいないのだからノーパンでも問題はない。
浴衣を羽織ると窓の外にトラックの音がする。
毎日食べる粥の材料を届けてくれるベージュのトラック。時間通りにやってきて荷物を降ろし去って行く。いつものように下を見おろし、運転席から降り立つ男を見た。
違う・・・、この男はいつも来る男ではない。
それに二人ではなく三人いる!
全裸に浴衣をひっかけただけの姿で廊下に走り出て大声で叫ぶ。
「閃!閃!」
階段の下から見上げてくる閃の顔は何事かと曇った表情を浮かべている。
『危險!』
拙い俺の広東語が伝わったのか閃の目が光る。
「Drivers are different!コウ!でるな!閃!コウを止めろ!!!!」
俺の声は無情にも届かず玄関のドアが閉じられた。
「セン!そこをどけ!」
階段を駆け下りる自分の足がもどかしい。
玄関のドアに体当たりするように自身をぶつけ、その先に見えるコウだけを見詰める。後ろの気配に何か感じたのだろう、振りむいて俺を認めた。
はだけた浴衣を羽織っただけの俺の姿を見て、咎めるような表情に変わったがどうでもいい。
届け!俺の身体!
ゴオっと風が鳴り、森の木々が揺れるザワザワした音が重なる。
浴衣が風にあおられ宙にはためいた。
目を見開いたコウに自分の体がぶつかり、重力の助けを借りて地面がどんどん近づいてくる。
よかった・・・届いた。
【パン】
その瞬間、俺の足がはじけ飛んだ。
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