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ご飯のお返し
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壱夜は身体を温めて浴室を後にした。
リビングに行くと良い匂いがする。
「あの…あがりました」
「あぁ、俺も入ってくる。夕飯はその後でいいよな?」
「先に入ってしまって、すみません‼」
「いいって、それよりも髪の毛を乾かせよ」
そう言って崇人はドライヤーを持ってきて渡し、すぐに自分は浴室に行った。
数十分後…
「悪い。夕飯は、もう温めるだけだから」
食卓テーブルに壱夜を誘い、椅子に座った所で暖めたカルボナーラを置いた。
「すごいです‼」
皿の上のカルボナーラに目をキラキラさせていた。
壱夜の反対側に座る。
「口にあうか、わからねーけど。どうぞ」
「いただきます」
壱夜は両手を合わせてお辞儀をした。
(なんか仕草が、いちいちかわいんだよな)
そんな事を考えながら、相手が一口食べるのを待つ。
上品な手つきでスプーンとフォークを持ち、クルクルとフォークにパスタがからむ。
それを口に入れる姿が色っぽい。
「とても美味しいです」
そう言って、壱夜はにこっと微笑む。
「そうか…良かった」
「いつも自分で作っているのですか?」
壱夜が聞いてきた。
「残業が続かない時は作っている」
一口食べてみた。
今日の出来はいい、上手くいった。
「自分はそういう事が出来ないので、凄いと思います」
「そんなに喜んでくれるならいつだって、なんだって作ってやるよ」
何も考えずに心に思っている事を言う。
目の前の相手は頬を紅くした。
「崇人さんっ、そんなに誰にでも優しいのですか?」
しどろもどろになりながら聞かれる。
速攻で答えた。
「気に入った、目の前に座ってる壱夜にしかキスしないけど?」
「なんで…初めて会った、見ず知らずの自分を…」
「すっげー好みだから。困ってるのを見て放っておけない」
俺は左手が利き手なので、右に持っていたスプーンを置く。
壱夜のスプーンを持っている左手の上に自分の手を置いた。
ピクッと手が少し動いたがそれだけで、払われる事は無い。
「崇…人さんは、口が上手ですね」
真っ赤な顔をしながら言われてもな、と思いながらも手の握る力を若干強めた。
「キスしたい」
立ち上がって、顔を壱夜に近づけた。
「っ!」
壱夜はピクンッと動いたが、近づいてきた崇人の口元を見て少し躊躇っていた。
しかし、目を閉じて待ち構えられたので、そっと口づけをした。
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