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お風呂 1
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壱夜は、オムライスを美味しいと言いながら食べた。
「なぁ、壱夜」
「はい?」
「…考えたんだけど、親父さんの葬式に出ろよ」
「っ…」
「…わかってる。でも、葬式に出ないのはよくない」
壱夜の家庭の事を、言うつもりはなかった。
でも、このままじゃ良くないのを知って欲しかった。
「…そうですよね」
壱夜も崇人の家族がいない事をさっき聞いたので、重い腰を上げなければ崇人に申し訳ないと思った。
「もしかして終わった?」
壱夜に、言うの遅かったかと思い聞く。
「いえ、明日お通夜です」
「…大変なのは、わかる」
壱夜は首をふった。
「いえ、自分も逃げてばかりじゃ駄目なのはわかっています」
壱夜は覚悟を決めた目をしていた。
崇人は、ほっとしたが急に寂しくなった。
「…明日でお別れ、か」
「…たぶんスマホの電源を入れると、5分位で近くに迎えに来ると思います」
「すげーな、本当」
GPSですぐに、居場所がわかるのだろう。
正直、離れたくはない。
沈黙が続く。
先に口を開いたのは、崇人だった。
「じゃぁ、風呂一緒に入ろう」
「風呂…ですか?」
「本当は昨日、一緒に入りたかった」
そういうと、壱夜は顔を紅くした。
「え…」
「風呂でセックスするか?」
冗談で言うと、壱夜は思いきり首をふった。
「だ、駄目です!お風呂でそんな事!崇人さんがかわいいの聞こえちゃいますからっ」
「えー、じゃあ野外プレイも無理か…」
「野、外…?」
「外でセックス。壁や天井のないところで開放的に…」
説明すると、ますます壱夜は真っ赤になった。
「な、無しです!!」
「俺はイケるけど…?」
壱夜は、力いっぱい首をふった。
「なら、ラブホは?」
「駄目です!そんな所よりも、もっと綺麗な所で…」
「俺としたい?」
ニヤニヤしながら聞くと、壱夜は顔を背けた。
「崇人さんが入れて下さいっ」
「えー、壱夜の味わえないだろ?それじゃー」
「いいんです!」
壱夜の手を握る。
「で、壱夜。風呂は?一緒に入ろう?」
今まで1人で何でも頑張ってきたから、自分がこんなに他人に甘えられると思わなかった。
その態度に、壱夜には効果的だったようで。
「…一緒に、入ります」
快く、承諾してくれた。
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