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別れの朝 4
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会社に行くため、スーツを着て身なりを整えた。
「崇人さん、カッコいいです」
「俺を煽るの、上手いよな~」
「そんな事…んっ」
壱夜の首に手を回してキスをした。
時間が無いのはわかっている。
(…もう少し、だけ)
舌を絡めると、壱夜から舌を吸ってきた。
「んぁっ、壱…夜、キス上手くなりやがって!」
「…ん、崇人さんが、ずっと…してくれてたから、です」
すっと、顔を離した。
「頑張って、俺の所に戻って来いよ?」
壱夜の顔を両手で挟めて顔を見ると、出会った日の暗い顔はどこにもなかった。
壱夜は崇人の手の上に、そっと自分の手を置いた。
「俺は、崇人さんのモノですから」
「そうだ」
そして手を離して玄関に行き、靴を履いた。
「崇人さん、スーツ持ってて下さい」
「そうだな。人質、ならぬモノ質だな」
「はい」
さっきまでのモヤモヤした気持ちが消えていた。
きっと、会えると思っているからなのかもしれない。
(あ~、我ながら…女々しい)
思わず苦笑してしまう。
「崇人さん?」
壱夜が不思議そうに眺めていた。
「ん~?いや、御守り効果で少し余裕が出たなって」
「余裕は困ります」
玄関で、もう一度キスをねだった。
再開を誓うキスをした。
そして玄関を開け、ドアに鍵をしてエレベーターに向かう。
「…一緒に外に行くのは難しいので、1つ後のエレベーターに乗ります。たぶん、スマホの電源を入れると数分で近くに来ると思うので」
壱夜が行った。
「…わかった」
壱夜が前に、追っ手と言ってたぐらいだ。
命を取られるまでは無いだろうが、都合が悪いのだろう。
エレベーターが来て、崇人は乗り込んだ。
「解決をしたら、すぐに会いに行きます!」
「壱夜、待ってる」
そうして、崇人は壱夜と別れた。
1つ後のエレベーターに乗った壱夜は、1階に着き、少し歩いた公園でスマホの電源を入れた。
案の定、数分で黒塗りの車に包囲されて、実家へと戻る事となった…。
第1章 E N D
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