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再会 1
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聞き間違いだろうか?
(…壱夜?)
「「「キャ~!!」」」
黄色い声が飛ぶ。
女子社員が、興奮しているのがわかる。
みんながその姿を一目見ようと首を長くしてしまい、崇人の視界が遮られる。
何とか見えた壇上にいる人物に、崇人は目を見張った。
「静粛に!静粛に!」
重役が宥めるが、止まらない。
目の前の壇上に、スポットライトを浴びる壱夜がいた。
(…壱夜?!)
莉乃が昨日、『明日の新入社員に跡取り孫が入社』と言っていた。
(まさか…)
でも、納得が出来た。
仕草も物言いも、血統書付きだと感じたのは間違いなかった。
でもまさか、自分の勤めていた会社の社長の孫が壱夜だったとは…。
「おはようございます!この度は…」
壱夜が挨拶をしている。
崇人は何度も瞬きをした。
キラキラと、壱夜の周りが輝いているようだった。
胸が高鳴った。
(…壱夜)
恋い焦がれた相手が、目の前にいる。
崇人はずっと、壱夜から目が離せなかった。
ふっと、壱夜の目線がこちらに向いた。
壱夜は挨拶をしながら、こちらを見て微笑んだ。
(あ…)
「見てるっ!王子が、こっちを見てるわよ」
「な、何?!どうしよう!」
周りの女子社員が騒いでいる。
だが崇人はそれさえも聞こえないほど、微笑んでくれた壱夜を見て涙目になっていた。
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