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「ちょっと…なんでアイツがいるんですか」
アイツとは、アタックを総スルーしている俺の態度に全くと言っていいほど傷ついていない様子の美優である。
今日はサークルの飲み会に来ていた。本当は面倒だったんだけど、先輩からのラインがしつこいことこの上ない。
それは毎回のことで、1ヶ月に1回は必ず顔を出せと約束させられたのはいつの話だろうか。
それはまあともかく、サークルの飲み会に所属していない美優が来ているという謎の状況が出来上がっている。
「いやぁ、どうしても来たいっていってたからさ」
先輩の目は妙にデレデレとしていた。…コイツ、美優に色仕掛けでもされたか。
だらしない奴だな、なんて思ってしまうのは許してほしい。学校でも纏わり付かれているのに、プライベートの時間まで一緒にいられるとさすがにストレスが爆発しそうなのだから。
悠里と一緒に歩いていたという男の問題は、とりあえず片付いた。いや、俺的には無茶苦茶嫉妬してるけど。
なんか昔から世話になってた人みたいだし、それをいつまでもゴチャゴチャ言うのは格好悪いからやめておくことにする。
とはいえ、美優と芽衣のことはまた別問題だ。なんでこうも次から次へと面倒事が起こるかな…。
美優の俺へのアタックが続いているのと同様に、芽衣もまためげずに荒太に言いよっているらしい。
何より一番厄介なのは、荒太がその自覚がないということである。芽衣が自分に好意を寄せているという認識がないのだ。
芽衣のことは物珍しい奴にちょっかいをかけてくる変な奴だと思っていると。
そんな訳ねーだろー…どこまで鈍いんだよ。
そんでもって根が優しい荒太は、いくら鬱陶しいからといって芽衣のことは無下には出来ないらしい。律儀に受け応えしているが、俺と二人になると「疲れた」と溜息を吐いている。
そんな訳で調子に乗った芽衣は、大学で荒太を見かけるとすぐに近寄って行く。必然的に二人きりの時間も減って、イライラは増す一方だ。
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