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side 遙
美優のことでトラブってから数日。普通にデートしたこと無かったよなという話になって、今日は水族館に行くことにした。
なんと誘ってきたのは荒太の方で、言い出す時ももじもじウジウジしていて可愛かった。はー…最近デレてくれて嬉しいけど、俺の心臓がもたない気がする。
荒太のバイト先から家に帰った時に仲直り…つっても喧嘩したわけじゃないからそう言うのかはわからないけど、まあそれっぽいことはした。セックスもしたし。
けど荒太的には今回のデートを仲直りのために誘ってくれたのかな…なんてこれまでに無いくらい浮かれまくっている。
今日は日曜日だから人もそれなりに多いだろうし、ゆっくりしている時間はない。待ち合わせの駅に向かうために、用意もそこそこに家を出た。
水族館暗いから、こそっとキスとかしてもバレない気がする。もちろん荒太は怒るだろうけど。
考えているうちにあっという間に駅に着いた。荒太にLINEを送ると、「俺ももう着く」という返事が返ってくる。
荒太が来るならこっちからかなー。
予想してそちらの方向を向いていると、やけに早歩きで俯いている女性と、それに纏わりつく男二人がこちらに向かってきている。
「お姉さんカワイーね、一緒遊ぼーよ」
「…いや、約束あるんで」
「彼氏とデート?そんなんやめといて俺らにしときなってー!」
「あの、ほんと急いでるんで」
「ていうかお姉さん、声ハスキーでエロいね!」
近づいて来ると会話も聞こえてきた。どうやらなかなかしつこい野郎共らしいが、気になることが一つ。
この声は確実に荒太のものだ。もちろんナンパ男の方ではない。
「…荒太?」
三人に近付き声をかけると、荒太であると思われる女の格好をしたその人は、ビクリと肩を震わせた。数秒黙っていたが、おそるおそるといった感じで顔をあげる。
やっぱり。綺麗にメイクが施されているものの、ツンと通った鼻も、上がった目尻も、荒太のものだった。
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