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この時、俺はすっかり有頂天だった。
これで俺の貞操は守られた、と。
しかし、ヨウのしつこさを舐めてはいけないらしかった。
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「悪いな、教授の所に用事が出来たから今すぐ行かなきゃならなくなった。」
悪いな、と今すぐ、を強調してやった。
「…それって明日じゃだめなわけ。」
「教授は明日から一週間学会でいないんだと。金曜日までにほしいデータがあるんだよ。」
不機嫌そうな顔を見せるヨウ。学校にいるときとは違って、感情が顔に出ている。いつもそうしてれば少しは人間味があるのにな。
「……じゃあ俺も付いていく。」
何だって?何の為にだよ。俺にはコイツの思考回路が到底理解出来ない。
付いてきたら逃げられないじゃないか、と思ったが、宇宙人を納得させられるような巧みなトークは俺には出来なかった。
先程いた街に戻り、USBを受け取った。
「ほぉんと、悪いな~荒太ぁ。君もすまんねぇ。あ、伊織くんじゃん、荒太とお友達ぃ?」
「はい。それでは失礼しますね。」
「えっちょ、待てお前……」
半ば引きずられるようにして店から出た。ヨウはそのままどこかへ向かって強引に歩いていく。
「どこ向かってんだよ!痛ぇから離せ!」
「離したら逃げるし。」
当たり前だ馬鹿。
……ってオイオイ待て。本当に待て。この方向って、まさか、いやそんな…………。
なんとなく行き先が分かってきて、俺はゾっとした。このまま進めばラブホ街だぜ。
まあ、ここからはご想像の通り。
為す術も無くホテルの一室に連れ込まれた俺は、ベッドに縫い付けられ、早業で服を脱がされ……。
いくら足掻いても無駄だった。そしてややはりコイツはテクニシャンだった。だから先程同様、俺は快楽に堕ちて全てがどうでもよくなり、ヨウに身を委ねることにしたのだった。
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