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二人とも息が上がってきて、一旦唇を離す。
喉を潤したばかりだったせいか、荒太と俺の間で銀色が糸を引いていた。
「っハァ…ハァ……」
荒太はもういっぱいいっぱいになっていて、肩を上下させていた。
酒が入っているせいか、もしくは今の激しい接吻のせいか、彼の顔は真っ赤になり、瞳は涙で濡れている。
「……抵抗、しないんだ?」
「…だって……きもちい、から……。」
バツが悪そうにこちらを見上げてくる。当然ながら上目遣いになっていて、俺の加虐心を煽った。
前にキスをした時、俺が荒太を襲った時にも、確か同じ質問をした。
最初は嫌がっていたのに途中から力を抜いたから、もう抵抗しないのか、と。
その時はただ不貞腐れたような顔をしただけだったのに。
余りにも素直過ぎて、これは演技なのでは、とさえ思えてくる。
俺が、相手が、そういうふうな仕草や行動をされたらどうなるか分かっていて。
わざと、俺の欲を掻き立てようとしているのか?
いや、でも、荒太はこれだけ酔っているのに。
まさか、それも全て計算の内?そういう風に見せかけているだけ?
分からない。コイツの考えていることが。
もしかしたら何も考えていないかもしれないけど。
……はぁ。
荒太がどういうつもりかは知らないが、俺を焚き付けたのは紛れもない事実だ。
俯いている荒太の頭を撫でた。そして頬に手を傳わせ、顎を軽く掴んで顔を上げさせる。
その表情は、少しの不安と期待がおり混ざったものだった。期待は分かる。キスが気持ち良かったと言っていたから。……何が不安なんだ?
「どうした?」
俺は出来るだけ優しい声を出して、問いかける。
「…どうした、って?」
「何か心配な事でもあるのか?」
「…………。」
荒太はまた黙り込んで、俯いてしまう。
「大丈夫だから、言ってみ。」
自分の優しい、人を気遣ったような声なんてなんだか気色悪い。
ボソボソ、と荒太は俯いたまま言葉を発した。
それじゃあ聞こえない。
「ん、なんて?」
「……おれ…きもちわるいかな、って……。」
……気持ち悪い?
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