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ヨウのご飯はすごく美味しかった。料理も出来るなんて狡いやつだ。
天は二物を与えず、なんて言葉俺は信じないぞ。
お礼として洗い物は俺がした。ヨウはその間に風呂に入っていて、その後俺もシャワーを借りた。
歯ブラシは新品のを出してもらった。ワックスも貸してもらった。
用意してくれた服はやっぱり大きかった。
白の薄いTシャツに、グレーと黒が混ざったカーディガン、スキニーデニム。
デニムは長くて、裾をロールアップみたいにした。した。巻きながらムカついた。何でこんなに足が長いんだよ。
「やっぱりぶかぶかだな。」
笑いながらそう言うヨウは、俺のことを馬鹿にしていると思う。
でも確かにカーディガンは、デカすぎる。まるで女が男物の服を着ているみたいだからな。
「うるせーよ。デブより痩せてる方がマシだ。」
「それには同意。荒太は痩せすぎだけど。」
そろそろいい時間で、二人揃って家を出た。ヨウが鍵を閉めている間強い風が吹いて、思わず眉を顰める。
「……あ、そうか、寒がりだったよな。」
「え」
ヨウがしていたマフラーをとって、抱き締められるような体勢で首に巻かれた。
……確かに俺は寒がりだけど、なんで知ってるんだ?
暖かい。コイツが巻いていたせいで、熱が残っているから余計に。
なんだか少しドキドキする。
暖かさのせいだけじゃなくて、匂いにも。マフラーから、ヨウの匂いが感じられて、昨日のことをつい思い出してしまう。
朝から何回ヨウとのセックスを思い出せば気が済むんだ、俺。
いつからこんな変態になってしまったんだ、と自己嫌悪。
「あ、ありがと…。」
何よりこんな事さらっと出来るイケメンが怖い。
そんなこんなで電車に乗り込んだんだけど、俺は昨日のことがバレないか、とずっとソワソワしている。
この車両の中に同じ大学の奴がいないか、ってずっと探してしまっている。
とりあえず見当たらないけど、大学近くになってくると、コイツ目当ての女子が話しかけてくるだろうな。……邪魔者扱いされそう。
どうか、俺達の関係が知られませんように。
……俺達の関係って、なんだろ。
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