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とりあえず、何かの病気ではないことに安心した。
確かにクマ酷いな……。何やってんだよ、そんなに毎日忙しいのか?
「今はたくさん寝かせてあげて、起きたらご飯と薬ね!」
「分かった。」
「それにしても久しぶりだね~」
「いや、一週間前にも会っただろ。」
会った、というかコイツが家に押し掛けてきたのだけど。
裕也は度々俺の家に来る。飯を持ってきて一緒に食べたり、新しいゲームを買ったから一緒にやろう、と言ったり。
友達いねーのかよ。
と思いながらも、なんだかんだで楽しみにしている俺もいる。
裕也は俺にとって兄貴のような存在だ。親父と同じ年の兄貴っていうのは変だけど。
困った時にはいつも助けてもらっていて、本当は結構感謝してる。
「今日のところは帰るね。ずっと心配そうにチラチラ彼のこと見てるし。」
「……見てねーよ。」
笑いながら、からかうように言われたのでつい言い返してしまう。心配するに決まってるだろうが。
クスクスと笑ってきてムカつくのでさっさと裕也を追い出した。
荒太が眠るベッドの隣に椅子を持って行って座る。
辛そうに歪むその顔に問いかけた。
なんで最近、避けてたんだよ。
やっぱり嫌だった?俺としたこと。
少し自惚れていた。いくら酔っていたとはいえ、俺を受け入れてくれたのだから、嫌われてはいないと。むしろ、その翌日の反応からして少しは懐いてきたのではないかと。
だから突然荒太が俺を避け始めた時は驚いた。すれ違っても、俺が声を掛けないと素通りしていく。話しかけると答えてはくれるが、必ず目は合わさない。
話していても、いつもの荒太みたく怒ったり文句を言ったりせずに、うん、とか、ああ、とか適当な返事だけだし。
やっぱ急だったかなー手出すの。普通に友達になって、親友と呼べるような関係になって、長い年月を経た後に告白するべきだったのだろうか。
分かんねー。
男を好きになったのなんて初めてだし、同性を落とす方法なんて知っているわけがない。
だからもう、欲のままに、思いのままに行動しちゃったわけなんだけど、不味かったか。
荒太、目を覚ましたらまた、俺のこと避けんのかな。
落ち込みながらも一人反省した。
side 遙 end
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