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「まあいいか。で、どう?荒太、俺のことこんな風に触ってたんだけど。エロいでしょ。」
「…っ、そ、んなの、知らねぇ。」
「えー、無意識だったって言いたいの?何それ、可愛過ぎでしょ。」
「そうだよ無意識だったよ悪いな起こして!からかいやがって、これ以上可愛いつったらぶん殴るぞ!」
「へーえ?こんなほっそい腕で?」
掴まれていた方の手を、ブラブラと左右に揺すられる。
……ムカつく。どうせ俺はヨウみたいに筋肉なんかついてねぇよ。
「…舐めてんじゃねーよ。」
ヨウの腕を振りほどこうとしたけど、グっと力を込められてそれは叶わなかった。
なんかほんと……何においても勝てない、ヨウには。
「ほら。どうやっても俺には抗えないでしょ。女みたいな、こんな腕じゃ無理だよ。」
「あのな、」
言い返そうとしてヨウと目が合う。思わず言葉が詰まる。
さっきは閉じられていて見えなかったあの瞳が、俺を写している。
「俺のこと、なんで避けてた?」
「っ、そ、れは……。」
「目、逸らさないで。答えて。」
どう言うべきなのか。ヨウに対する気持ちを、抱えきれなくて、逃げていたって?そんなの言わない。言えるわけが無い。
ヨウのこと、意味分かんなくて強引で勝手な奴だって思ってたのに、好きになりましたって、言ったらどうなるだろうか。
やっぱり引く?
というか、そもそもヨウは男が好きなんだろうか。俺に……俺の身体に、手を出してきたということは、そういうことだと捉えていいのだろうか。
いや、身体だけに対するただの興味本位の可能性も捨てきれない。
もしそうだった場合、恋愛感情を持っているなんて知られたら、気持ち悪がられるかも。
それなら俺はこのままでいい。今みたく、たまに話すだけでいい。嫌われたくない。
とにかく、ごまかせ。
「……そんなの、ヨウが俺に変なことするからじゃん。自分の行動思い出してみろよ。」
「……でも、呑みに行った日はお前も乗り気だっただろ。」
「……あれは酔ってたから。」
悟られるな。動揺していることも、本当の気持ちも。
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