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side 遙
思わず、約束の相手は誰だ、なんて聞いてしまった。
結局聞かなかったが、とても気になる。…美優の友達の芽衣とやらか?
そう思った理由は、この前の食堂での会話だ。
美優がやたらと話しかけてきて、面倒だと思いつつも相手をしていた時。
俺の前の席では、荒太と芽衣が話をしていた。
ただでさえ荒太との昼飯の時間を邪魔されているのに、荒太が俺以外の奴と楽しくおしゃべりなんて、凄くイライラしてくる。
荒太が誰かと話しているところなんて、滅多に見たことが無いから余計に嫉妬してしまった。
美優は笑顔で喋りかけてくるが、話半分に聞いて、荒太達の会話に耳を澄ませた。
素っ気無いながらもきちんと返事をする荒太。
そんな荒太に慣れたのだろうか、芽衣も臆することなく会話を続けていた。
恋愛の話になり、荒太は彼女はいないと答える。…まあ、俺は女じゃないし。
しかし、好きな人はいるのかという質問に対しても、NOと返事した時には、少し怒りが湧いた。
…俺はなんなんだよ、好きって言ってたくせに。ガキみたいな文句が頭の中を飛び回る。
きっと深い意味は無いのだと思う。好きな相手が男だなんて言えないから、好きな人もいないって言ったんだろう。
それにしてもさぁ。……ほら、そんなこと言うから芽衣がちょっと期待した顔してるじゃん。これは絶対狙われるな。
予想は当たり、飯に行こうなんて誘われている。当然断ると思ったが、二人はそのまま連絡先を交換して別れた。
そんな訳で、スマホで連絡を取り合って、今日約束を取り付けたのでは、と思ったのだ。
芽衣とか言う女、絶対肉食系だろ……。
美優もそんな感じだし、似た者同士は仲良くなる法則か。
二人とも多分、見た目には自信があるはずだ。
それなりに整った容姿は、普段から周りの視線を集めてる。
これまで荒太が、女とどういう付き合いをしてきたかは知らないけれど、美人に迫られると案外コロっといってしまう……なんてこともあるかもしれない。男なんてそんなもんだろ?
あー気になる。気になる気になる気になる。
だからといって束縛男にはなりたくないし…。もう少し様子を見よう。
side 遙 end
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