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誰かと会う約束なんて本当は無いのだから、家に帰ってから暇だった。
暇になればすぐヨウのことを考えてしまう。
俺が芽衣に誘われたように、ヨウも美優に飯に誘われたり、連絡先を聞かれたりしているのだろうか。
俺は行くつもりなんてないけど、ヨウはそういう場合どうするんだろう。
二人で飯に行って、酒なんか飲んだりしたら……何かの間違いがあってもおかしくはない。
美優はグイグイアタックしてたし…。
沈んでいく思考を振り切るために出掛けることにした。何か悩み事があったときに俺が訪れるのは、やはり灰里さんの元だった。
「…あーら。また来たの。」
「…悪いかよ。」
「いいえ、どうぞごゆっくり。ちょっと気になってたんだけどさ、この前の痴女ちゃんとはどうなったの?」
う。いきなりその話題が来るか。付き合いました、って正直に言うか?
いや、でも…。しかしそれを言わなかったら、今の悩みも相談できなくなるし…。
「…いや、その……。」
「……何その微妙な表情。またヤられたの?」
「…ヤられたっていうか、あの後色々あって……。」
「…?簡潔に言うと?」
「……付き合ってます。」
「…は?ちょ、それ詳しく!」
また人事のようにゲラゲラと笑う灰里さんに、これまでの経緯を全て話した。…もちろんヨウの性別は女のままだが。
「……へぇ。ヨウ子ちゃん、かなり押してくるね。肉食系女子ってやつだ。」
「ちょっと強引すぎるんですけどね…。」
「でも優しくされて堕ちちゃったんでしょ?荒太の負けじゃん。」
別に勝負なんかしてないし…。肉食系男子だし…。
「ま、身体の相性も良いみたいだし、付き合って損は無いと思うよ。」
「…灰里さんと一緒にしないでくださいよ。それ理由で付き合ってるわけじゃないし。」
確かに初めて味わう気持ち良さだったけど…。俺はそんなんでヨウのことを好きになった訳じゃない。
「分かってるってーごめんごめん。でもさ、そのヨウ子ちゃん、前から荒太のこと好きだったんじゃないの?」
「…は?なんでですか?」
「だってさー、自己紹介してもないのに荒太のこと知ってて、不思議じゃん?」
「……まあ、それは俺も疑問に思ってたけど。」
「同じ大学だし、少しは知っててもおかしくないけど、寒がりなことも知ってるとか普通じゃないじゃん。少なくとも興味が無いと、耳に入ってこないでしょ。」
「いや、でも……。」
「真相は知らないけどね。…俺、分かった。ヨウ子ちゃんと何かあったから、今日俺のところに来たんでしょ。」
「………。」
鋭いな、ほんと。俺が分かりやすいだけなのか?察するのが早くて助かる。
格好悪いのは承知で、ここ最近嫉妬しまくっていること、それからその理由を話した。
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