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ヨウが辛い思いをしているのなら、何か少しでも力になりたい。
ヨウが今、俺に何かを相談しようとして、だけど止めて…その心境の変化が起こった理由は、何?
なんで何もなかったことにするんだよ。俺のせい?俺は頼りない?
…俺はヨウにとって、深刻な悩みを相談できるほどの相手じゃない?
頭の中で言葉たちがグルグルと回る。ヨウに伝えたいこと、聞きたいこと、沢山沢山あるのに…。上手く口に出せない。
俺は人と話すのが苦手だから。…つまり、言葉が苦手だから。
どの思いが、伝えても相手が傷付かないもので、どの思いが、伝えても自分が傷付かないもので。
そういう判断が俺には上手くできない。分からない。
結局そうやって考え込んでいるうちに、黙っているうちに、周りとは変な距離が出来ていくんだ。
別にそれでも構わないと思ってた。
自然と出来る距離を縮めようとしたことなんて、一度もない。
…でも……。
…でも、ヨウとはそんな風になりたくない。なりたくないんだ。そんな距離なんて要らない。
そのためには、俺が言葉を発しないといけないわけで。
「よう……!ちょっと、まって…たのむ、から……。」
股間を触り続けるヨウの手を離し、後ろを向いて、しっかりと目を見つめた。
「…どうしたの。……嫌?」
「……どうしたの、って…。ヨウこそ、どうしたんだよ…。」
「…俺は別に何もないよ。……あ、荒太と早くシたいけど。」
「…そういうのじゃなくて……!」
なんで。なんでごまかすの。俺は。ちゃんと。向き合おうとしてんだろ…?逃げんなよ。……俺から、逃げないで…。
「なんで…?今日、いつもと、違うだろ…。」
「…だから、別に違わないって。」
「……ちがう!…全然…ちがう…。さっき、言いかけたこと、なんだよ…。」
「……、別に何も、言いかけてないけど。」
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