アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
※ココア味と
-
ココア味の口付けが交わされる浴室で晴の手が僕の肌を弄る。
「…ん、明日、学校ある、から 」
口付けの合間に必死で酸素を取り込み訴えたものの、呆気なくまた唇を吸われ拒むことも出来ずに晴のシャツをくしゃりと掴んだ。
「何時から?」
「 …10時すぎ、だけど」
「じゃあ いいじゃん」
晴がニヤリと口角を上げて笑えばまた唇を奪われる。なんだかどうでも良くなってきて素直に晴の舌を受け入れた。
「ん、ぅう … 」
雨に濡れてやって来た晴の体は少しひんやりとしていて、濡れた髪が時折肌を掠める度ぞくりとする。このままでは晴が風邪を引いてしまう。舌を絡め取られながらももう一度グイとシャツを掴んで晴と目を合わせた。
「 … なに、」
ちゅっと音を立てて唇が解放され、唾液が伝うのが見えた。何度キスを繰り返してもどうにも慣れなくて、この瞬間が恥ずかしい。
「… 風呂入んないと、風邪引くよ」
口元を袖で拭いながら晴の胸を軽く押す。ちらりと盗み見た晴の唇はどちらかの唾液で濡れていて見ていられなかった。ドク、ドク、と脈打つ心臓が痛い。
「んー、じゃあ一緒に入ろ」
離れようとする僕を逃すまいとがしりと腰を抱かれる。ビクリと反応してしまう体が恥ずかしくて必死で平静を装った。
「…もうとっくに入ったし」
彼女と喧嘩して雨にまで濡れて、機嫌が悪い筈の晴がなんだかご機嫌だ。声色は明るく終始楽しそうに口角を上げているのが分かる。晴の視線が一心に俺を見詰めているのをありありと感じ、晴の胸を押していた手で顔を覆った。
「だって俺、もうこんなになっちゃった、きょーすけの所為だろ?」
顔を覆った手を奪われ、その反対の手でまた腰を抱き寄せられる。腿に押し付けられた晴のものを感じ思わず声にならない声が溢れた。
「 …っ、」
「きょーすけ」
耳元で甘く囁かれればもうお終い。元から主導権など僕にはないのだ。僕の意思だってあってないようなもの。いつまで経っても晴の事を拒めやしない。
すぐに着ていたパジャマを剥かれ晴が軽く体を流した後、浴槽へ浸かった。背後から抱え込まれ大きな晴の胸に体を預けたのはいいものの、晴の主張したものが腰に当たりどうしたらよいものか。
そのうち晴の大きな手がまた肌の上を滑り、追い詰められていく。手の甲を口に当てて必死で快感をやり過ごした。
胸の突起を慣れた手付きで弄んでいた手が僕の中心へと触れる。握られた瞬間面白いくらいに肩を震わせた僕に気を良くしたのか
「な、そろそろ声、聞きたい」
また手を奪われ、我慢していた声が溢れた。
「…ぁあ、離し …」
「… 嫌だね」
僕の懇願にふっとまた悪そうな笑みを浮かべた。その瞬間耳朶を甘噛みされれば体を捩らせる。
「絶対離さないし」
聞こえるか聞こえないかの声で言われた言葉にジワリと視界が滲む。虚しかったからだ。晴が離さないのは僕じゃなくて、この行為に対しての言葉に過ぎない。
「ぁあっ、ああ、はっ、ぁ 」
僕の性器を握った晴の手が上下する度声が溢れる。もうどうでも良くなった。晴の大きな胸に乗り上げるようにして体を震わせ、馬鹿みたいに甘ったるい声が浴室に響く。従順な体は晴によってもたらされる快感を拾い集めた。
「ふっ、 むり、 っ はる…っ」
「拒んでたくせに、ノリノリじゃん」
くすりと笑みを含めた晴の声にまた涙がじわりと溢れた。こんなの嫌だって、悔しいって思っているのに体は喜んでいる。
晴の声、晴の匂い、晴の大きな手。
「… 恭介」
名前なんか呼ばないで欲しい。
優しい手付きもやめて欲しい。
甘い口付けも、時折見せる優しい顔も。
セフレならセフレでいいから。ちゃんと理解しているんだから、だから優しくしないで。
もっと抱き潰してくれていい、感情なんか一切感じられないくらいの行為で構わないから。
一度欲を吐き出した後、もつれるように浴室を出た僕らは体を拭くのもそこそこに狭いベッドに雪崩れ込んだ。
下から見上げた晴の顔が、やっぱり整ってるなあとか彼女ともこんなふうにするのかなあ、とか考えていたら、晴に激しく揺さぶられそんな余裕もなくなる。
「ぅっ、ぁ、は、っは、」
片足を抱えられより深く繋がった晴をダイレクトに感じてもういっぱいいっぱいだった。
「…何考えてんの… 集中、しろよ… 」
それなのに当の本人は人の気も知らないで。
ふーふーと繰り返す苦しい呼吸に、いつもより濃く感じる晴の香りに、奥を貫かれる感覚に、ラストスパートと言わんばかりの激しさにベッドは軋んだ音を何度も立てた。
行為が終わった後、だいたい僕は眠れない。
幼さの残る晴の寝顔は出会った時とそう変わらない。変わってしまったのは僕らの関係だけだ。
どうして、こんなことに。
「 …っ、うう 」
どうしようもなくて、涙が溢れた。
もう慣れっこだったのに、出会った頃を思い出していた所為かもしれない。
「 ん… 恭介?…泣いてんの?」
不意に目を覚ました晴は寝ぼけ眼のまま僕をじっと見詰めた。
「…ううん。泣いてない」
慌てて目尻を拭って返した声は酷く鼻声になってしまった。今にもまた眠りに落ちてしまいそうな晴は僕の頭をそっと撫でてまた瞼を閉じた。
「 ……もう、晴なんか大嫌いだ 」
月明かりに照らされた晴の寝顔を見てまた、好きだと思った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
15 / 87