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「シートベルト、どこかわかる?」
「多分。ってかなんか異常に綺麗じゃねぇ?」
シートに汚れなんて無いしゴミ1つ落ちてない。
「あぁ。お前が初めてだからな。」
は?!まさかのペーパー?!
こんな高そうな車乗ってるくせに?
口に出して無いはずの疑問。それなのに獅子原は答える。
「違ぇよ。隣に誰か座ってると息苦しいんだよ。
普段は後ろに座らせんの」
「はぁ?さっき前に座れって言ったヤツが何言ってんの?」
「だから『お前は』って付けただろ。なんとなくお前は大丈夫っぽい」
出た。
獅子原の意味不明な発言。
「そういうのは狙ってる女に言えバーカ。それともお前、俺の事狙ってるとかほざくなよ」
「生徒に手出すほど困ってねぇよ。それとも出してほしくて言ってんの?」
「………お前マジ頭どうかしてるって」
それもそうだ。その通りなんだけど、こんなセリフを本当に言えるってすげぇ自信。
なにより獅子原が言うとリアル過ぎてキモい。
頭のネジが1本どころか10本ぐらい抜けてんじゃねぇの。
ジロッと睨めば獅子原は鼻で笑ってハンドルを握る。
「じゃ、行くか」
見た目通りの完璧な運転。
片手でハンドルを操り、一定のスピードで車を走らせる。
急ブレーキもなきゃ急発進もないお手本のようなハンドルさばきに、内心『すごい』と思ってしまった。
これで運転下手とかだったら親近感湧くかもしれねぇのに……。
やっぱりなんか嫌味なヤツ。
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