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「ウサギは青と緑どっち派?」
「どちらかと言えば青だけど…」
「んじゃコレでいくか」
「って待てコラ」
リカちゃんに連れられて来たのは食器とかタオルとか…とにかく日用品がいっぱい並んでる店だった。
カゴにどんどん物を入れていく。
お皿、茶碗、箸、コップ…。
全て白地に黒ラインが入った物と同じデザインで青ラインが入った物。
「何?やっぱ緑に変える?」
「俺が言ってんのは色じゃねぇ。何で食器を買う必要があるんだよ。しかも色違いとかアホか」
「アホはお前だろ。食器無くて飯食えねぇだろうが。
それに2人で食べんのにバラバラの食器使うってセンス悪いなお前」
クソ腹立つリカちゃんの言葉に俺は眉を吊り上げた。
「2週間の為に食器なんていらねぇし」
「あんな食生活させれると思ってんのかよ。
ベッドが届いた後も飯は一緒に食うからな」
「…は?」
サラッととんでもない事を言い放ったクセに、当の本人は何でもない事のようにレジへ向かって行く。 戻ってきたリカちゃんの手にある紙袋の中身は色違いの食器一式。
「……何なのこの展開」
「さぁ?こうなる運命だったんじゃねぇの?」
フッと笑うリカちゃんは憎たらしくて憎たらしくて。
でも、その自信たっぷりな言い草と溢れ出る俺様感に、それ以上もう何も言えなかった。
*
その後もあれこれ買い漁り、最後に食料や調味料を買って車に戻る。
もちろん全部リカちゃん支払い。
布団代を勿体無いと言いながら、これを買うのは勿体無くないのだろうか。
「ウサギはどこか寄りたい所とかある?」
「全く無い」
それより早く帰りたい。早く帰ってシャワー浴びて寝たい。
明日も休みだから昼過ぎまで寝続けたい。
「もう九時前だし帰るか」
駐車場に向かうリカちゃんの後ろについて行く。
早く家に戻って、この男から解放されたい一心だった。
自分でもバカだと思うけど、すっかり忘れてたんだ。
なんでココに買い物に来たのかを。
そしてこの後、どうなるのかを。
それを思い出した時には既にマンションに着いていた。
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