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「マジで全然わかんねぇ…。なんで英語と数字と記号が出てくんだよ。そんな欲張ってどうすんだよ…」
リカちゃんが出て行って数十分。
真面目に取り組んでみたものの、解けたのは3問だけ。
どうやら俺には数学の才能が欠片も無いらしい。
「とりあえず数字書いときゃいいか「よくねぇだろ」」
遮る声が聞こえて、振り返ればリカちゃんが立っている。
その手にはトレイを持ち、心底呆れた顔をしていた。
「お前ねぇ…選択問題じゃないんだから当てずっぽうは無理があんだろ。とりあえず机の上片付けろ」
散らばってたシャーペンや消しゴムを直し、本を閉じれば、リカちゃんは空いたスペースに持ってきたトレイを置く。
例の青ラインのマグカップには温かいココア。
それに小さめのカップケーキ。
「慣れない勉強したから甘いモンでも食って休めよ」
「え、これ…お前が作ったの?」
「どう見ても手作りだろうが」
既製品とは思えないが男が作ったとも思えないクオリティ。それをこの性悪教師が作ったと思うと…複雑。
それでも、やはり味は一級品だ。
「うまっ…!!」
「当たり前だろ俺が作ったんだから。ココアも甘めにしてあるから飲めよ」
「っつーか何で俺が甘党なの知ってんの?」
俺はそんな話リカちゃんにした覚えない。
買い物に行った時もお菓子買わなかったし。
「お前、今朝すげぇ嬉しそうな顔でパンケーキ食べてたから。コーヒーに砂糖とミルク多めに入れてただろ?」
イケメンだから許されるセリフだと思う。
これがブサイクなら「見過ぎで気持ち悪い!」ってなるんだよ。
「あと少し一緒に頑張ろうな、ウサギ」
にっこり、ふんわり笑うリカちゃんは、綺麗ですげぇ優しそうで、こりゃモテんなー…って思った。
けれど俺は知ってる。
「テメェさっき教えたばっかだろうが!!あぁ?その小さい頭ん中に何詰まってんだ?餅つきしてる場合じゃねぇだろバカウサギがよ!!」
………リカちゃんはブレない。
コイツは間違いなく正真正銘のドSだ。
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