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サボったり、たまに気が向いたら教室にいたりして1日が終わる。
拓海と歩とくだらない話をしながらも考えるのは、この後のリカちゃんとの時間のことだ。
リカちゃんは俺に何を話してくれるんだろう。
星兄ちゃんとリカちゃんの関係と、俺のことをどう思ってるか…とか?
いや、無い無い。
あのリカちゃんがそんな浮ついた話するか?
いーや。絶対にしねぇ。
「なぁ慧。今日は歩もバイト休みだから遊んでくだろ?」
帰り支度をし終えた拓海が俺に話しかけてくる。
2人と遊びに行きたい気持ちもあるが、リカちゃんは定時で帰れるようにするって言ってたから今日は早く帰りたい。
つっても教師の定時が何時かなんて知らないんだけど。
「俺パス。今日は用事あるから」
「は?せっかく3人集まるのに?」
「用事あるつってるだろ」
ぶつくさ言う拓海に答えると、余計に頬を膨らませて怒り出した。
拓海はよく拗ねる。そして、こういう時はいつも歩が間に入ってくれるんだ。
「拓海。慧だって都合あるんだから諦めろ」
「歩までンな事言うのかよー…」
「俺が付き合ってやるから。
っつーか慧、LINE来てるぞ」
言われてアプリを開けば、新着メッセージが1件。
『15分後に駐車場。車の陰に隠れてろ』
もちろん差出人はリカちゃんだ。
「悪ぃけど行くわ。また明日な!!」
机の上に置いた鞄を乱暴に掴んで教室を飛び出した。
「慧?!なんだよあんな急いで何の用事なんだ?」
「早く行かねぇと食われるからじゃねぇの」
「誰に?何を?」
「……さぁな」
2人の噛み合わない会話は俺には聞こえなかった。
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