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リカちゃんが朝から仕込んでたらしい料理を温めてくれて一緒に食べる。
昨日食べたファミレスの料理よりも断然美味い。
食べ終えてソファで寛いでいると、洗い物を終えたリカちゃんがマグカップを手にやって来た。
黒と青のお揃いのマグカップ。
青い方を俺の前に置き、当たり前のように隣に座る。
「昨日来たヤツ覚えてるか?」
「桃ちゃん?」
残念なイケメン。おネェの桃ちゃん。
インパクトが強すぎて忘れられるはずない。
「桃と俺と星一、あともう1人豊ってのがいる。
俺らは高校の同級生だった」
「うん」
それは桃ちゃんに聞いたから知ってる。
頷く俺を見たリカちゃんは自分のコーヒーをすすり、そのあとタバコに火を点けた。
チンッという高い金属音…ジッポを閉じた音が静かな部屋に響く。
歩が前に高いオイルライターならイイ音がするって言ってた。確か素材がなんとか…って。
リカちゃんが使ってるのは明らかに高そうだ。
ふぅっと一息吐いて続ける。
「星一からお前の話はよく聞いてたよ。末の弟がよく懐いてて可愛いって。アイツ本当に弟バカだったから」
「俺も星兄ちゃんが大好きだった」
よく勉強を見てくれた星兄ちゃん。
真ん中の兄ちゃんは忙しくてあんまり構ってくれなかった。
母さんが出て行ってからは特に星兄ちゃんが一緒にいてくれた。
「まさか自分の教え子になるとは思わなかった。
しかも聞けば母親は出て行ったとか言うし。
アイツそんなの一言も言わなかった。俺らに気を使わせたくなかったんだろうけど……アイツらしいよな」
またタバコを吸い、煙を吐き出す。
昔の事を思い出すように閉じられたリカちゃんの瞼が震えた。
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