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「おーい慧!!見て見て?!!」
数分後どこからともなく現れた拓海は、両手いっぱいにお菓子を抱えていた。
「なんか今日の俺ツイてるかも!!ガンガン取れる!」
「……そうかよ。めでたいヤツだな」
「っつー事でハイ。これ慧の誕プレな!」
やたら大きな袋をズイッと差し出した拓海は自慢げに笑う。
「…誕生日、覚えてたんだ」
「当たり前だろー!!まぁ明日は俺も歩もバイトだから祝えねぇけど」
俺は明日16歳になる。
星兄ちゃんがいなくなってからこの日を祝ってくれるのは拓海と歩だけだ。
「拓海、ありがとな」
「おうよ!!そろそろ帰るか!」
右手にリカちゃんへの灰皿、左手に拓海からのプレゼント。それを持って歩く帰り道。
「…ウサギ?」
駅を出て数分歩いた所でリカちゃんとバッタリ会った。
15歳最後の日に偶然会うなんて。
神様ってのがいるのなら、俺とリカちゃんをくっ付けたいのかもしれない。
「ほら、乗れよ」
開けられた助手席のドア。
鷹野は乗せなかった特別な場所に俺は座れる。
なぁ、リカちゃん。
自惚れてもいいよな…?
リカちゃんも俺を思ってくれてるよな?
見つめる横顔に心の中で問いかけると、リカちゃんはフッと笑って俺の手を握る。
それが答えだと思ったんだ。
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