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「おはよ。16歳おめでとう」
好きな人の腕の中で朝を迎える。
「今日、お前の1日俺によこせよ」
「なんで…」
「お前誕生日だろ。イイトコ連れて行ってやるから」
やばい。リカちゃんが優しい…。
なんだか今朝は特別優しい。
「朝飯食ったらプレゼント買いに行こうか」
そう言って俺の髪に軽くキスを落とし寝室を出て行く。
リカちゃんの出て行った寝室で1人悶える。
やばいやばいやばい!!!
何この甘ったるい感じ!
バタバタと無駄に足を動かしたり、ベッドの上をゴロゴロしたり…
「はぁ…なんか、幸せ過ぎて、夢…?」
ギューッと頬を抓る。
「い、いひゃい…」
夢じゃない。
それが嬉しくてたまらない。
俺は、とても幸せな誕生日になりそうな朝を迎えた。
*
朝飯を済まし、支度を終えた俺たちは家を出て車に乗り込んだ。
「横浜でも行くか」
車を走らせながら言ったリカちゃんに頷く。
ハンドルを握る右手に、俺の手を握る左手。
絡まった指が気恥ずかしくてそっとリカちゃんの指を撫でる。
「ウサギ、くすぐったい」
前を向いたまま目を細めて笑う姿に胸がキュンとなる。
口が悪いと自分でも自覚のある俺が乙女みたいだ。
リカちゃんといると調子が狂う。
フワフワして、それでいてずっと心を掴んで離さない。
そんな気持ちになるんだ。
「そこのガム食べさせて」
あーんと開けたリカちゃんの口にガムを入れれば、すかさずパクンと指を食べられてしまう。
チロチロと指を這う舌が熱い。
「やめっ…」
「本当に?ならもっと嫌がれよ」
運転しながらこいつは何してるんだ。
対向車線から向けられる好奇の視線に気づいてないんだろうか。
いや違う。コイツが気づいてないわけない。気づいてても気にしないだけだ。
「止めないならもっとするけど?」
爪先に歯を立てたリカちゃんが目線だけを俺に向けた。
「ッ、いい加減にしろ!」
「ははっ。その調子で俺を楽しませてくれよ」
さっきまでの甘々な雰囲気はどこへ行ったのか、途端に意地悪リカちゃんになってしまった。
ニヤついたその顔すらかっこいいと思ってしまえるぐらい、俺はリカちゃんに夢中だった。
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