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19.弱っちい心 (R18)
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頭の片隅ではまだ、確かな燻りが息を潜めているけれど。昂ることを知っている身体は、リカちゃんの手に触れられるのを喜ぶ。久しぶりの感覚に緊張はあっても、俺はこの続きを知っている。
触られることの気持ち良さとか、求められることの満足感とか。特に後者は、今の俺に最も必要なものだ。
どれだけ自分で努力したつもりでも、結果として俺は『失敗』してしまった。負けてしまった。
だからリカちゃんに求められることで、こんな俺でもまだ役に立てるんだって自信がもてる。
物足りない毎日を。
こんなはずじゃなかった日々を。
理想と違う現実を。
俺はリカちゃんに埋めてもらおうとしている。
求められることで『こんな俺でも必要なんだ』って安心しようとしている。
勘の鋭いリカちゃんなら気づいているけど、俺に甘いリカちゃんは何も言わない。それに今は甘えていたい。
今も、甘えていたい。
「あっ……あっ、あ……や、う……んあっ」
うつぶせの身体とソファの隙間で、リカちゃんの手が動く。夏用のカバーの薄い布地が俺の身動きに合わせてサラリと揺れ、その独特な感触が気持ち良かった。
普段は少しだけ冷たくて、けれど俺の身体に触れるとすぐに温まるカバー。
俺が好きな青色のそれは、リカちゃんが買って来てくれたものだ。
「や、そこ……リカちゃん、んっ、あ、ひ……あ」
ぐりっと押された下腹部。肝心なところの根元を強めの力で撫でられ腰が跳ねる。
すると当然、リカちゃんは更に深くまで手を伸ばしてくる。
「は……っ…………ふ……くっ」
「気持ち良さそうな声出して、慧君のエッチ。そうやって煽ってくれると、こっちも嬉しくなる」
「煽ってなんか……ないっ」
「またまた。風呂上りに下着を履かないのも、そんな状態でマッサージされるのも。どちらも抱いてくれって言ってるようなものでしょ」
「それはリカちゃんが!リカちゃんが俺のっ……俺の、ん、ああっ」
まるで自分が変態のような言い方をされ、反論しようとしたのだけれど。俺の口から出たのは悲鳴にも似た叫びで、嬌声とも呼べるものだった。
普段は絶対に出さない高めの声が、リビングに響く。住んでいるこの部屋が防音で良かったと、心から思った。
まあ……俺だけの力じゃ、こんな良い部屋に住めるわけはないんだけど。
大人になっても誰かに守られている自分を責めるように噛んだ唇は、少し荒れていた。
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