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「何、お前サボるんじゃねぇの?」
あのまま屋上に行く気にもなれず、かと言って他に行く宛てなど無い俺はすごすごと教室に戻った。
だがしかし、決してサボってリカちゃんにお仕置きされんのをビビってるわけじゃねぇ。
「まぁ…なんとなく」
「なんとなくでマラソン走るとか変わってんな」
「ほっとけ。っつーか拓海は?」
もうみんな着替え終わったのか教室には歩しかいない。
しかもまだ制服なあたり、コイツは確実サボるつもりだろう。
「もう行った。お前も行くなら急がないと遅刻すんぞ」
「歩は?サボんの?」
サボったらリカちゃんに……って、歩もあのヤラシイお仕置きされるんだろうか?
歩とリカちゃんがさっきみたいなキスをする…そう考えると何かモヤッとしてしまう。
「こんな寒い時にマラソンとかありえねぇ」
「それはそうだけど…けどサボったら煩いだろうし…」
「は?誰が?」
「誰がってリカちゃ…、」
言いかけてやめる。
リカちゃんなんて言ったら「なんでそんな呼び方してんの?」って聞かれるのがオチだ。
「あぁ獅子原?っつーかお前までその呼び方してんだ?」
「別に…」
歩は少し不思議そうに俺を見た後、ふぅん。と呟き、自分のロッカーに向かう。
戻ってきた手にはジャージが鷲掴みされていた。
「行くなら早く行こうぜ。せっかく出てやんだから遅刻してグチグチ言われんのアホくせぇ」
そう言って、そそくさと着替え出す歩に、俺は内心ホッとした。
それと同時に先ほどのモヤモヤの事など綺麗さっぱり忘れ去っていた。
*
「おー……兎丸と牛島まで来た」
グラウンドには既にみんな集まっていて、その中にリカちゃんの姿を見つける。
黒い上下のジャージ。スーツや部屋着とはまた違った印象だった。
俺が来ないと思ってたのか、他の生徒が驚いたようにこちらを見る。
出席しようがサボろうが俺の勝手じゃねぇかよ……マジでイライラする。
「慧ー!」
出席順に集まってるらしく、拓海が俺を呼んだ。
歩は黙って前半組に向かって行ったから俺も拓海の隣へ座る。
あかさ行の前半組。たなは行の中盤組。残りの後半組。
前半組の前には一組の担任が立ち、後半組の前には三組の担任が立っている。
って事は…………。
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