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「お前らは俺が見るからよろしくー」
俺らの前には2組担任のリカちゃん。
さっきまでキスしてたなんて感じさせずに、淡々と説明するリカちゃんを睨む。
すると目が合ってしまった。
「兎丸、何か言いたい事あんの?」
「…別に」
マジで性格悪すぎるだろコイツ…。
俺が困るのわかってて、わざと話しかけてくるとか性悪すぎると思う。
「んじゃ念のためコースの説明するから……おい鷹野、これ配って」
「ハイ」
リカちゃんに呼ばれた生徒がスッと前に出る。
プリントを渡すリカちゃんと受け取るソイツの姿がやけに似合っていて…またモヤモヤが戻ってきた。
誰だよその優等生みたいな爽やか君。
っつーかプリント渡すだけなのに近すぎだろ。
得体の知れない感情に自然と舌打ちが出た。
それに気づいた拓海が俺を覗き込む。
「あれ誰」
「あれって……鷹野?うちの学級委員長じゃん」
まさか同じクラスとは。
全然知らなかったソイツは、にこやかに笑いながらプリントを配っていく。
「はい、兎丸君と鳥飼も」
「サンキュー!」
「………………ども」
チラッと俺を見た鷹野と目が合う。すると鷹野はクスクスと笑い出した。
「なんだよ」
「いや?兎丸君がいるの不思議で。まさか出るとは思って無かったんだけど、なんか弱みでも握られてる?」
「は?」
「さっきから獅子原先生のこと見つめてるから。サボったらお仕置きでもされるのかなぁって」
鷹野の言葉にヒヤッとした何かが落ちてくる。
まさか……さっきのアレ見られてた? ヤバい。何か言い返さないと……!
「別にテメェに関係ねぇだろ」
「そうなんだけど……あんまり獅子原先生に迷惑かけないでほしいなと思って」
「お前さっきから何言ってんの?」
一人ワケわかんねぇ事をベラベラ喋る鷹野に問いかける。すると鷹野はニッコリと笑った。
人好かれする、満面の笑みで。
「兎丸君、可愛いから牽制しとこうと思って。俺の先生とらないでね?」
呆気にとられる俺を残し鷹野はリカちゃんの元へ戻って行った。
残ったプリントを返しに行くだけだってわかってるのに、どうしてだか引き止めたくなる。
リカちゃんの横に立つ鷹野に…………俺は嫉妬したんだ。
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