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「豊!!!」
桃ちゃんがその男の人の名前を呼んだ後、バッと隠れるように俺の背後にまわった…けれど。
俺とたいして背丈が変わらないんだからバレバレだ。
ってか声出しちゃってる時点でダメだと思う。
「桃。お前はいつもいつも突然押し掛けては迷惑をかけて…!!この腐れオカマ野郎が!!!」
落ち着いた人だと思ったのに…!
リカちゃんの後ろにいたはずが瞬時に俺の元まで来て、桃ちゃんの首根っこを捕まえる。
そのままソファまで引きずり、背もたれに桃ちゃんの顔をグリグリと押し付けた。
「テメェの気分で振り回される身にもなれやクズ!!いい加減にしねぇとオカマ言葉ですら喋れなくしてやんぞゴルァ!!」
「…ぐぇ…も、しゃべ…な…」
「アァ?!男ならハッキリ言えや!!!」
……言いたくても言えないんじゃないだろうか。
弱っていく桃ちゃんと、第一印象を数秒でぶち壊した男の人を見ながら俺はそう思った。
「相変わらずえげつねぇな…」
俺の隣に来たリカちゃんかボソッと呟く。
相変わらずって事は普段からこうなんだろう。
桃ちゃんの今後が心配だ。
マフラーを外しコートを脱いだリカちゃんに俺が手を伸ばせば少し驚いたように手渡してくる。
「サンキュ」
「野菜、切り終わった」
「お前がやったの?」
「……俺は洗っただけ」
野菜を切ったのも、出汁をとったのも全部桃ちゃんだ。
俺は隣で見てただけ。
「…俺も料理の練習しようかな」
なんだか情けなくなって言えば、リカちゃんが俺の頭をポンポンと撫でる。
「今度教えてやるよ」
「マジ?」
「あぁ。………手取り足取り優しーく丁寧にな。
俺の授業料は高いから覚悟しろよ?」
耳元で囁かれた言葉にボッと顔が赤くなった。
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