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モグモグ……ゴクン……パクッ、モグモグ……。
「なぁ。なんでそんな拗ねてんの?」
拗ねてるんじゃない。恥ずかしすぎて目が見れないだけだ!…なーんて言えないから黙ってがむしゃらに食べる。
「別に俺の枕の匂い嗅いでた事なんて気にしなくていいのに」
「あれは俺の枕だ!!」
「んじゃ俺が使ってた枕」
ぐぅぅ…。そう言われると言い返せない。
確かに枕に顔を埋めてスンスンしてた俺が悪い。
誰がどう見たってただの変質者だろう。
リカちゃんが飲んでいたコーヒーをテーブルに置き俺に手を伸ばす。
俺の眉間に指を当て、そこに寄せていた皺を伸ばすよう優しく撫でた。
「あんまりプリプリしてんなよ。ここ、すげぇ皺できてる」
甘く囁くような声に、単純な俺は嬉しくなってしまう…が。
そんな優しい雰囲気は一瞬だ。
爽やかに笑っていたはずが、すぐに意地悪リカちゃんになってしまうんだから。
「可愛かったよ?俺の代わりに枕抱きしめてるウサギ。
朝飯じゃなくてお前を食べたくなっちゃうぐらい、すげぇそそられた」
「…ックソ!くだらねぇこと言ってないで早く食べろよ!今日は用事あるんだろ?!」
「そこなんだよ。1時間でもあれば美味しく頂いてたのに…マジ残念」
リカちゃんは今日一日予定があるらしく、すでに仕度を終わらせている。
黒いVネックのニットがリカちゃんの細い身体にフィットして益々エロい。
食べ終わった食器を片した後、リカちゃんは一服して帰っていく。
「んじゃ鳥飼に宜しく。あんまり遅くまで遊び歩くなよ」
宜しく言っちゃマズイだろ。そう言い返す前に玄関の扉が閉まった。
*
拓海とブラブラ買い物してる途中に、俺は雑貨屋であるものを見つけてしまった。
シンプルな黒の灰皿。
なんか英語が書いてあるが、もちろん俺には読めない。
リカちゃんは俺の家ではいつも携帯灰皿で済ませている。
そろそろちゃんとしたヤツ置いておくかな……とそれを手に取った。
「慧タバコ吸わねぇのに灰皿いる?」
「いや。俺んじゃなくて……ちょっとな」
覗き込んでくる拓海から隠すようにレジまで持って行き、会計を済ませた。
渡された紙袋を見ると無意識に頬が緩む。
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