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「リカちゃんっ、リカちゃんっ」
「慧。もう大丈夫だから」
リカちゃんの声は安心する。
その声、その体温、その存在全てで俺を包み込んでくれる。
リカちゃんが下げられていたパンツとスラックスを履かせてくれた。
俺もシャツのボタンを留めようとするけれど、指が震えてうまく出来ない。
「ご…ごめっ、」
シャツすらまともに着れず、またも謝ってしまう。
「焦らなくていいから。これでも着とけ」
バサッと自分のスーツのジャケットを俺にかぶせてくれる。
一回り以上大きいそれは、俺の震える身体をすっぽり覆った。
リカちゃんの匂いと温もりの残るジャケットが恋しくて強く身体を抱きしめた。
「泣くなら俺の前でだけにしろ」
リカちゃんが頬を伝う涙をチュッと吸う。
それが堪らなく嬉しくて、もっと…と見つめれば、今度は目尻に溜まった涙を吸い取ってくれる。
フッと笑ったリカちゃんと目が合って苦しくなった。
守りたかったのに、また俺が守られてる。
知られたくなかったのに、こうやって助けられてしまった。
「リカちゃん…ごめんなさい」
「慧が無事ならそれでいいよ」
優しい優しいリカちゃん。
「…いつまで人のモノに触ってるんですか?こんなんじゃまるで俺が悪者みたいだ」
それをぶち壊す鷹野の苛立った声。
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