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「何時間後に帰って来いって?」
全てお見通しのリカちゃんが車を走らせながら言う。
「2時間。パーティの費用は請求するって」
「マジか。あいつ不必要なもん買いまくるんじゃねぇだろうな…」
こんなに穏やかにリカちゃんと話すのは久しぶりだ。
なんだか緊張してしまう。
ぎゅっとシートベルトを握る俺の手に、リカちゃんの大きな手が重なった。
「手、握ってていい?」
いつもは絶対にそんなこと聞かないのに、聞いてくるリカちゃんがもどかしくて俺から握る。
それに気づいたリカちゃんが指を絡め、ギュッと強く力を込めた。
「どこ行くの?」
「ケジメ付けに。ちゃんとあいつの前で言葉にしたい」
そう言った後は黙り込むリカちゃん。
俺も何も言わない。
移りゆく景色を眺めて、しだいにどこへ向かっているのかに気づいた。
車を停め、大きな木の側にある門をくぐる。
ずっと奥の小高い丘にある右から3つめ。
星兄ちゃんがそこに眠っている。
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