アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
222
-
「このままドライブして夜はどっかで食って帰るぞ」
「それはいい…けど、仕事は?」
「今日と明日は忘れる。ウチの子構ってやらないとすぐ拗ねるからな」
横目で俺を見て即座に前へ向き直す。
けれどその左手は俺の指を絡めたままだ。
「拗ねてねぇよ」
「どうだか。まぁ俺は気遣いもできないダメなヤツみたいだし?このままじゃワガママで寂しがりな恋人に捨てられちゃうかもな」
「……マジ性格悪いなお前」
ツンと顔をそらせば窓ガラス越しに目があう。
信号待ちで窓ガラスに映る俺を見つめるリカちゃん。
間接的に見つめ合い、照れた俺にリカちゃんが言った。
「好きだよ、慧」
「なっ、おま……!」
「たまにはベッドの上以外でも聞きたいだろ?」
「べ…別にいらねぇし」
「そうか?顔に書いてあったけど」
何でもお見通し、と余裕綽々のリカちゃんは少し混んできたから俺をからかうのを止め真剣な顔で前を見る。
凛としたその横顔を見つめた。
望めばもっと手に入るはずなのに、その手が選ぶのは俺だけ。
こんな生意気で可愛げもない…気の利いたこと1つ言えない俺のどこがいいんだろう。
繋がれたままの手に思いと力を込め、強く握りしめた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
222 / 1234