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目の前に迫ってくるような鮮やかな花。
息をするのも忘れて見入る。
「へぇ。さすが人気なだけあるわ」
「何これ…ヤバい…」
「もっとまともな感想ねぇのかよ…。帰ったら国語のお勉強でもする?」
俺の耳に頬を摺り寄せるリカちゃんがニヤニヤしてるのがわかる。
「ここ、花火が見える貸切風呂なんだよ。
すげぇ人気なんだけどキャンセル待ちしてたら予約取れた」
「そう、なんだ…」
「な?イイ所って言っただろ?」
フンっと鼻を鳴らし得意げなリカちゃんが俺を覗き込む。
わざわざ予約待ちまでして…俺の為に。
………クソイケメンすぎるだろ。
「リカちゃん」
「ん?」
振り返って見るリカちゃんは、長めの前髪から水を滴らせ、少し火照らせた顔で花火を見上げていた。
「リカちゃん」
「だからなんだよ」
さっきまで鮮やかな色が映っていた瞳が真っ黒に濡れ、俺を映した。
「………ありがと」
「どういたしまして。
まぁ……お礼はお前の身体で払ってくれればいいよ」
そして怪しく光り、捕食者の瞳に変わる。
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