アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
315
-
「そんな顔すんなよ」
「……え?」
「慧にそんな顔させたら俺が兄貴にシメられる」
「お前……マジ何考えてんのかわかんねぇ」
さっきまでの無表情が、今はニヤニヤに変わっていた。
心配して損した…とむくれる俺の頭を歩がポンポンと叩く。
「まぁ…想定内っちゃ想定内だし」
「何が?」
「いい機会だと思うんだよね」
「…だから何が?」
全く話の読めない俺に歩は笑う。
『不敵』という言葉がピッタリな自信に溢れる笑み。
「自分を試してみようかなって」
自分を試す…。
それは、どこかで聞いたことのある台詞。
「誰を相手にしてんのか思い知らせてやんなきゃな」
「クソ意味わかんねぇけど、偉そうなこと言ってんのはわかる」
ククッと笑った歩は車に近づきリカちゃんの隣に立つ。
あ……そっか。
「あの台詞…前にリカちゃんが言ってたのと、まんま同じじゃねぇかよ」
そいつ、かなり手強いから。
覚悟しとかないとすぐ飲み込まれる。
誰かわからないけど、歩を相手にするヤツに言ってやりたいと思った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
315 / 1234