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呼ばれて隣に立てば「見ろよ」と窓を指差す。
そこには校舎の周りに植えられた木々と、その向こうにある街並みしか見えない。
「何だよ」
「俺の宝物見せてやろうと思って」
宝物って………木?それとも街?
どちらにしても変な話だ。
「あれって特別な木?」
「木じゃねぇよ。もっとイイのが映ってんだろ」
木じゃなかったら街…だろうけれど、それのどこがイイのかわからない。
「その顔は全くわかってねぇな」
「これでわかる方がどうかしてる。それでも教師ならもっと分かりやすく喋れよ」
「…相変わらずクソ生意気なヤツ。
それならバカなウサギにもわかるよう、1から教えてやるよ」
何かに火が点いたらしいリカちゃんが俺の隣から後ろへと移動した。
そのまま窓に両手をつき、俺を囲うように閉じ込める。
「ちゃんと聞けよ?」
俺の肩に顎を乗せ、わざわざ耳元で囁きながら指を窓ガラスに触れる。
指まで綺麗だなんてズルい男。
「まずは意志の強そうな瞳。
それから小さな鼻…で、柔らかい唇。
ここに触れると温かくて気持ちいい。
この唇が俺の名前を呼ぶと嬉しくなる。
逆に俺以外だと寂しくなる」
その指がたどるのは、窓に映った俺の影だ。
「髪は…そろそろ染めるのやめてほしいかな。
せっかく綺麗なのに勿体ない。
あともう少し肉を付けろ」
その指は目、鼻、唇を辿り頭の先から首元へと移動する。
「お前……まさか、」
「な?映ってたろ。俺だけの宝物」
リカちゃんの宝物とは窓に映る俺。
理解した途端に身体が熱くなった。
「俺にはお前以上に大切なモノなんてない。
過去はあげられないけど未来なら全てくれてやるよ。」
「リカ…ちゃん」
それは恥ずかしさと………嬉しさが入り混じった感情。
「目が潤んできた……、なんでか当ててやろうか?」
耳元で囁いていた唇から這い出てきたのは器用な舌だ。
ザラついた舌が輪郭をなぞるように上から下へ、耳から首筋へと降りていく。
「俺の匂いを嗅いで、体温と声に包まれるだけで」
「んっ」
時折、チクッと強く吸われ所有痕を残す。
「身体が疼く。触ってほしい。……違う?」
答えを言うよりも早く、火照る素肌に冷たい手が這わされた。
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