アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
プロローグ 4
-
「はぃっ!じゃあー今日の分おしまいっ!お疲れちゃーんっ!」
気づいたら撮影は終わっていた。
さっきのでOKだったらしい。監督はいいのが撮れたと上機嫌だった。
スタッフさんも俳優さんも皆片付けや着替えに入ってた。
「母さん…さっきのシーン…」
「んー?…颯が爆発にびっくりして固まってたのを、久我鳥さんが上手く繋げてくれたのよー
監督も後は変身前の人が声入れるから大丈夫だってーふふっ…颯ったら顔真っ赤にして…そんなにビックリしたの?ふふふっ」
そう言って母さんは俺の顔を撫でた。
大人の中ではそうなってたらしい。
顔が赤かったのはビックリしたのもあったけど、もっと違う意味があると思う…その時の俺はちゃんと気づいてた。
「あっ…颯君!」
「くっ…久我鳥さん!///」
控え室のあるテントから私服の久我鳥さんが出てきた。
制服だ…学校帰りだったのかな…?
「今日は危なかったな…大丈夫だったか?」
そう言うと久我鳥さんは俺の顔を覗いてくる。
近すぎて目も合わせられない。
顔が熱いからきっと真っ赤になっている…
「大丈夫です…///あの…助けてくれて、ありがとうございました///」
「ははっ!いいよ約束したもんな!颯君が怪我してなくてよかった!」
そう言うと久我鳥さんは俺の頭をわしゃわしゃと撫で回した。
もぅ、どんな反応してらいいのか緊張し過ぎて分からない。
「じゃあ、芸能活動頑張れよ!応援してる!」
久我鳥さんの手が離れていく。
何か…何か言わなきゃ…
「あのっ…!また、会いたいです!」
「あぁ!また会おう!!」
久我鳥さんはそう言うと握りこぶしを俺に向けてきた。
今どきこうゆうことやる人いるんだ…笑
でも、こうゆうところも…
好きだ…///
俺は久我鳥さんが帰るのをずっと見送った。
久我鳥さんはさっきのは、「男同士」の約束と思っているのかもしれない。だけど、俺の中には少し違う意味があると思う…
大人になったら久我鳥さんに合う強い大人になろう。そう心に誓った。
そして…
---------------------
11年後-
「颯君!颯君!起きてください!仕事に遅刻してしまいますよ!」
「んっん〜…梅ちゃんそれはアイスじゃなくて!すっぽん鍋でしょ〜ん…」
「何馬鹿言ってるんですか!今日は朝早いって昨日何十回も言ったでしょ〜!!」
子役時代も終わり、新しいマネージャー梅花 智也(うめはな ともや)に起こされる今の俺。
あれから11年。
20歳になっても、あの時から俺の気持ちは変わらない。
やっと…ずっと欲しかったチャンスが来たんだ。
「ねぇ、梅ちゃん!明日だよね!戦隊ヒーローの新しいドラマ!!」
「はぃっ!颯君がずっとやりたいやりたいって言ってたお仕事ですもんね!明日の方が今日よりもっと早起きですよ!」
「いや…逆に寝れないかも…笑」
あの時の監督から今度は俺が変身前のヒーロー役としてのオファーが来た。
また、久我鳥さんに会える。
俺の恋の始まりはまだまだこれからだ。
-プロローグfin-
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
4 / 29