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12 葦原 颯
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久我鳥さんの運転している車がい道の外れで止まった。
あぁ…そうゆう事か…。
俺は助手席のドアノブに触れた。
「俺は…11年前、まだよく分からなかった……。10歳近く歳の離れた子にこんな感情を持っていいのかどうか…。」
俺はドアノブに触れた手を元に戻し、久我鳥さんの話を聞いた。
「君は人気子役で演技が上手い。色んな番組、人達に引っ張りだこ…。きっと、これも演技なんだって、崖から君を助けた時、胸が苦しくなったよ……。」
久我鳥さんの拳が震えていた。
俺は黙って話を聞く事しか出来なかった。
「でも、君と会えなくなってから気づいたよ。テレビでどんどん大きくなっていく君を見て、ずっと、可愛いと思っていた。触れたかった…。」
頭が追いついて行かない。
反応出来ない。でも、一つだけ…分かった事がある。
「颯君…俺は、颯君が好きだ。」
久我鳥さんは、俺と同じ気持ちだったんだ…///
すると、俺の頬に涙が零れた。
「あっ…えっ…!?すっ…すみません。泣くつもりなんて無かったのに…///」
慌てて俺は自分の涙を拭く。しかし、久我鳥さんが俺の手に触れ、動きを止めた。
「ごめんと言ったのは、颯君と同じ気持ちだったのに、自分に颯君と両想いになる勇気が無かったから…。両想いになる勇気ってのは、11年分の颯君に触れたいって俺の気持ちが暴走してしまいそうで怖かったんだ………。」
「昨日みたいのじゃおさまらない。もっと強く、激しく、颯君に触れたい……。そうしたら颯君が傷ついてしまうかも知れない。俺は颯君の好き以上に颯君が好きかもよ?それでも、颯君は俺を好きでいてくれる?」
久我鳥さんの手が俺の頬に触れて涙を拭う。
それでまた俺は泣きそうになった。
心臓が痛いだけどこれは、11年前のあの時よりずっとずっと強いドキドキ……。
「大丈夫です!久我鳥さんの好きなようにして下さい。その方が俺も嬉しいです。だって、俺も久我鳥さんに負けないぐらい久我鳥さんが大好きですから…///」
久我鳥さんは俺に優しいキスをした。
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