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愛玩動物……それは身近において可愛がることを目的に飼う動物。ペット。
ーードアを開ける。
物音で気づいたのかドア越しに身じろぐ気配がする。その気配に着替えることも忘れて足早にその気配のするリビングへと足を運ぶ。
「ただいま」
ドアを開けるとそこには一匹の猫がいた。黒い毛が赤と金のオッドアイを惹き立てる。しなやかで抱き心地の良さそうな体つきの猫は、はっ……と熱い息を漏らしながら伊織の声に答える。
「お……かえ……り、ぃ……」
ゆっくりと上体を持ち上げて伊織に近づこうとするも力が入らないのか吐息とも矯声とも言いがたい声を猫を上げた。赤く熟れた唇から、はっ……。はっ……。と漏れる息遣いが伊織をどれほど待ち望んでいたを物語っている。
「遅くなってごめんね」
いつもより二時間ほど遅い帰宅。少しでも早く紅葉に会いたかったが緊急の用事が入ってしまいそうも行かなかったのだ。伊織の言葉に猫は何も言わず背中を向けた。伊織は気にしない。猫のおしりから生えた上下に動くしっぽが猫の言葉を代弁しているからだ。素直じゃない猫の様子にくすりと笑みをこぼし伊織は猫に歩み寄る。
「今日はいい子に待ってた?」
伊織は猫を軽々と抱き上げ膝の上に乗せた。チリン、と猫の首につけられた鈴がなる。そこには伊織の連絡先が書かれていた。猫に似合うだろうと用意した当初は猫が嫌がるのでつけなかったが、昨日猫が家を抜け出し野良猫のように他人から餌を貰っていたためつけることにしたのだ。
「ぁ……もぅ、や……,ぃおりぃ……」
「返事は?」
「ちが……、これやだ。外して」
猫は伊織に拾われるまでずっと野良猫だった。群れるわけでもなく特定の縄張りを持つわけでもなく好きなところへ行き好きなことをして自由気ままに生きてきた。そんな猫が首輪で拘束されて一日中閉じ込められていることは耐え難いだろう。しかし一緒に暮らすのであれば決められたルールは守らなければならない。
猫は伊織の膝の上で体をビクビクと震わせながら伊織に拘束を解いてほしいと懇願する。潤んだ瞳がより一層猫の瞳を美しく見せる。猫が自分だけを見つめていることに機嫌を良くした伊織は満足気に口端を上げ意地悪く丸を歪めながら猫に話しかける。
「今日はちゃんと僕がいない間もいい子で待っていられた?」
再度猫に問いかける。怖くないよとでも言うつもりなのか指先で猫の背中をツー、と優しく撫で上げる。猫は喉を鳴らしながら甘く泣いて答えた。
「してた。いい子にしてから、これ外して……おねが……」
チリンーー首の鈴を鳴らしながら猫は甘えるように伊織にすりよる。惚れた弱みとはこのことか、つい猫の願いを叶えてやりたくなるがしつけをきちんとしなければ同じことを繰り返してしまうのが猫である。今までも何度もこの愛らしい猫の仕草に負けて脱走されたことだか……
「外したら紅葉はすぐに脱走してしまうだろう?」
「も……逃げない。だから、おねがい」
伊織の言葉に猫はフルフルと首をふる。
「俺を信じて、くれねぇの?」
「信じられないね」
冷たく突き放すように言葉を返す伊織に猫は泣きそうな声を漏らす。以前も同じようにもうしないと誓っていた。それを違えたのは猫のほうだ。伊織が留守の間に抜け出して伊織から与えられた名前を他の男に呼ばせて微笑んでいる姿を見てしまったのだ。そう簡単には信じられないし許せない。いつもは素直にごめんなさいといえば許していたが今回は口先だけでは許せずに逃げられないよに、逃げることすら思いつかない状態にして出勤した。
「君の体は僕じゃないと満足できないってことを再確認させてあげるよ」
そうすれば他の男に擦り寄ることなんてないはず。この猫をどうしようもなく愛おしく思うその心に爪を立てるどころか爪とぎを始めるような真似は……。
どうすればいいかわかるよね?と猫の耳に息を吹きかけるようにして囁く。その言葉に猫は目を見開いた。驚愕と諦めの混じったその瞳の奥に情欲を確認しながら伊織はゆっくりとズボンの前をくつろげた。
猫は目の前の布を取り除こうとするもテントのように張ったそこをうまく引っ張れず、二度三度と失敗していた。
「ん……」
やっと伊織の怒張を取り出した頃には目に涙を浮かべていた。教えられた通りに猫特有のざらついた舌で怒張を慰めるようにして舐め上げていく。
ぴちゃり……ぴちゃり……
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